第12回:関正雄 理事
(株式会社損害保険ジャパン CSR部 上席顧問)

 

経団連には、CSRに関連する委員会組織などがいくつかあり、私もさまざまな形で関わってきた。そのなかのひとつに、1990年に設立された社会貢献推進のための1%クラブがある。モットーは「会社を変える、社会を変える」だ。活動の一環として、経団連社会貢献委員会とともに会員企業の社会貢献実態調査を毎年行い、結果を経団連ホームページで公開している。2012年3月には東日本大震災に関する特別報告書を発表した。震災直後から企業が支援にどう動いたかを示す、貴重な記録や事例が満載だ。また2013年10月には、続編として196の事例が収録された「東日本大震災復興支援事例集」が発表された。

 

震災後三年、多くの企業が支援活動を継続しているが、最新事例集に見られる活動の中味は、息の長い復興支援へと変わってきている。また、復興に取り組む団体への支援形態が多様化していることも一つの傾向だ。一例として、損保ジャパンの「社員派遣プログラム」を紹介したい。

 

損保ジャパンでは、復興においてマネジメントスキルをもった企業人材のニーズが高まってきたことから、復興に取り組む社会企業家やNPOのサポート役として社員を派遣するプログラムを実施することとした。企画にはETIC.の力をお借りし、まず2012年には全国訪問ボランティアナースの会「キャンナス」に社員を派遣した。

 

被災地で医療・看護・介護分野の支援に取り組むキャンナスには、社内公募で集まった10人の社員を派遣し、訪問介護のデータ整備・分析、マニュアル作成、行政との連携業務、広報ツール作成などを実施した。復興までの道のりが長期化するなか、活動基盤として大切な事務処理やシステム整備を中心に、社員が保険業務で培ったビジネス・スキルを生かして支援した。

 

その後2013年には2つ目のプログラムとして、元東電役員の半谷栄寿さんが代表を務める「南相馬ソーラー・アグリパーク」に、新規事業計画づくりなどスタッフ業務支援のために社員を派遣している。

 

企業の社会貢献は時代と共に進化している。こうしたプロボノと呼ばれる活動も、社会企業家やNPOと企業との新たな協働の形だ。課題解決を促進するだけではなく、派遣された社員にも気づきと学びがある。

 

企業の社会貢献とソーシャルビジネスは、別物と考えられがちだが、実は接点がたくさんあるし、今後大いに発展する可能性を秘めていると思う。

 

 

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