第20回:関戸美恵子 理事
(一般社団法人SR
連携プラットフォーム代表理事)

 

2010年10月1日、全ての事業所や団体が担うべき「社会的責任=SR」についての、国際的ガイドラインISO26000が発効した。

 

人口変動、気候変動、資源・食糧問題など、21世紀に入って尚加速する地球規模の課題に立ち向かい、宇宙船地球号の持続性を担保するためには、全ての組織がその影響の及ぶ範囲においての「責任」を自覚し、社会の持続的な発展の為にこそ、その「責任」を果たす必要があるという、切迫した世界的共通認識のもとに生み出されたのが、社会的責任に関するガイドラインである。

 

一見当たり前過ぎる話なのだが、日常の組織活動、事業活動の「振る舞い」に具体的に落とし込もうとすると、事はそう簡単ではない。

 

収益性追求の前には労働慣行は忘れがちになり、効率性追求の中ではステークホルダーエンゲージメントなどは、面倒以外の何物でもない。

 

生身の事業体は矛盾の只中にある。IS026000が求める社会的責任を果たそうとすることは、相当な矛盾や葛藤を超えて、事業性と社会性の統合へと向かう闘いなのだ。

 

闘いなのだから、容易くはない。

 

しかし、それでも、私たちはその「統合」をやり遂げなければならない。

 

IS026000発効の半年後に起きた東北大震災は、政治、経済、市民生活などのあらゆる分野で無意識に進行していたあらゆる「偏り」、「丸なげ状態」からの脱却を私たちに問いかけている。

 

自らの振る舞い、自組織の在りようが、社会に対してどのような「影響」を及ぼすのかについて、私たちは鈍感であってはならないのだ。

 

力あるものの責任逃れは許されないが、同時に小さな事業所や団体においても「応分の責任」を自覚し果たす必要があり、未来に対する想像力をもっと育てていかなくてはならない。

 

とりわけ、事業体にとっては、事業性と社会性の統合こそ、未来への道である。そこに果敢に挑んでいるのがソーシャルビジネスである。

 

それを、小粒だからこそ出来る事等と言っているようでは、「経済大国日本」の企業の名前が泣く。

 

「ソーシャルビジネスに負けるな、大企業!」とエールを送りたい。

 

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