第25回:松場登美 評議員
(群言堂〔株式会社石見銀山生活文化研究所代表取締役所長〕)

 

第三の消費という言葉を知ったのは数年前のことである。

三種の神器を代表に物質的また機能的価値の消費から趣味趣向性の強い自己表現的消費に移行し、今、第三の消費と呼ばれる消費は社会的意味がある消費へと変化しはじめている。

「消費は未来への投票である」と言った人がいたが、その物の背景にある考え方や会社のあり方が問われ、消費者はその価値に共感できるかどうかで選ぶ時代になったと感じている。

 

弊社は取るに足りない小さな企業ではあるが、ビジネスを通して少しでも消費者の意識に影響を及ぼしたいと考えている。

もしそれが可能であればやがて一人一人の変化が社会を変えていくに違いない。

政治や大企業などの大きい力強い力が社会を変えるのでなく、一人一人の消費者の変化が、あるいは生産者の変化が理想の社会に変えていく力となるであろう。

 

弊社は衣料も作っているが、今や衣料の生産は作業衣や制服まで入れると80数パーセントが海外生産だそうだ。

 

弊社の製品は国内の素材を国内縫製で作っているので決して安くはない。

しかも絶滅危惧的な素材もあって、苦労も多いが物を残さなければ職人も技術も残らない。

 

自分達の利益だけを考えずに産地が残っていける生産体制を考えたいと思う。

 

企業は本来ソーシャルな側面を持っているものであるが益々強く求められる時代に入ったと感じている。

哲学と経済を同じ目線で語り生きていけるソーシャルビジネスは、地方から広がりつつあるような気がする。

 

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