第26回:鎌田恭幸 評議員
(鎌倉投信株式会社 代表取締役社長)

 

「信」こそが貨幣

 

鎌倉投信という会社を起こして丸6年が経とうとしています。

創業は、2008年11月、折しもリーマンショックの直後で世界の経済、金融情勢が大混乱している最中でした。

この四半世紀の間に経験してきたバブル崩壊やリーマンショックは、いわば金融が引き金になって生じた経済の大津波です。

実体経済を裏で支えるべき金融は、あたかも経済の主役であるかのように振る舞い、そして、(金融危機を絶対に引き起こせないという背景の中で、)自らの過ちによって危機に陥った金融機関の救済のために多額の血税が投じられ、いまでは史上最高水準の利益を上げている金融機関も少なくありません。

 

こうした歴史を振り返ったとき、(もちろん鎌倉投信を含めて)金融に関わる者の一人ひとりは、過去の過ちを直視し、何を学び、何を為し、何を改革してきたか、を真剣に問わなければならないと考えるのです。

 

鎌倉投信は、2010年3月、次なる世紀22世紀(2101年)に繋がる価値を多くの人と共に創造したいという想いを込めて「結い 2101(ゆいにいいちぜろいち)」という公募の投資信託の運用を開始しました。

そして、その1年後、日本に衝撃が走りました。

2011年3月11日の東日本大震災です。

その時、多くのお客様から頂いた投資や応援の声を、今でも忘れることができません。

「日本の経済を支えているいい会社に投資をし、応援することで少しでも復興の力になりたい」という想いで投資下さった方がどれだけいたことでしょうか・・・そうした投資は、「祈りともいえるお金」でした。

そうして信じて託された想いのこもったお金を社会の中で絶対に生かさねばならないと決意を新たにしました。

 

信頼の連鎖を創り出すことが金融本来の役割であり、「信」こそが貨幣なのです。

 

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