第31回:上田敬 評議員
(日本経済新聞社 編成局デジタル編集本部デジタル報道部 コンテンツ企画委員)

 

資金支援、変わる質

 

先日、米グーグルが「Google インパクトチャレンジ」という非営利団体支援プログラムを発表しました。

「様々なテクノロジーの活用を通じ、社会問題の解決にチャレンジする」アイデアの実現を応援します。4つのプロジェクトを選び、それぞれ5000万円を提供します。

NPOへの資金供給の額としてはあまり例のない規模です。

シュミット会長が来日し、自ら説明会に臨んだほど、グーグルにとっては肝いりの取り組みです。

 

注目すべきは金額の多さだけではありません。

むしろ、それ以外の点にあります。

グーグルのエンジニアやマーケッターなどさまざまな分野のビジネスの専門家が支援してくれます。

グーグルの新規事業開拓という色合いがあるとはいえ、「選んだからには必ず成功させる」と担当者の方が発言していたのが印象的でした。

支援期間終了後は自立できるソーシャルビジネスなどを想定しているようです。

 

民主党政権時代、雇用対策などとして、多額の公的資金がNPOやソーシャルビジネスの担い手に流れ込みました。

東日本大震災の復旧・復興でその勢いは増しました。

あふれかえる資金は不正流用や無駄遣いのような残念な状況もありました。

グーグルの今回のプログラムのように、メンタリングもついてくる資金であれば、適正に使われ、成果につながりやすいのではないでしょうか。期待したいと思います。

 

ところで若干、自己紹介をさせていただきます。

私は1990年代半ばからNPOなどの取材を始めました。

活動を通じて社会を変革する志を持っている人たちの可能性を信じ、この分野を取材し続けています。

 

手前味噌ですが、日本経済新聞社もソーシャルビジネスを表彰する制度を設けました。「

日経ソーシャルイニシアチブ大賞」と言います。

法人格はNPOに限らず、株式会社も対象としています。

また、前回第2回目から大企業のCSR(企業の社会的責任)関連の活動も表彰しています。

もうすぐ、第3回目の募集を開始する予定です。

よかったら応募してみてください。

よろしくお願いします。

 

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