第9回:川北秀人 理事

(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者)

 
東北を、日本を、チャレンジの豊かな森に!

 
IIHOEでは、いつのころからか、団体の設立理念とは別に、3年程度の中期的な基本方針を定めて発信しており、2011年の年頭に「日本をチャレンジの森にする」という言葉を掲げることにした。
そして3月11日。同日以降、基本方針を急遽改め、「人類史上最大規模の被災地・日本だからこそ、総力を挙げて、支え合う3年間を」とした。

 
改めて私が申し上げるまでもなく、課題先進国である日本の中でも、高齢者率・後期高齢者率が高く、開業率・廃業率いずれも低い東北3県の沿岸部にとって、短期的な復旧も大切かもしれないが、元に戻すだけでは、21世紀半ばを視野に入れた、持続可能な復興は実現できない。

 
これまで、NPOや、都市型の社会起業家の卵たちからのご依頼にお応えしてきたIIHOEでは、同年以降、町内会・自治会など、従来からある地縁団体からのご依頼が急激に増え、年間のご依頼総数の半数を占めるようになった。これは、町内会・自治会が、行事ではなく事業で、団体の役割ではなく地域の経営者として、地域に向き合わねばならなくなったからだろう。

 
その意味で、昭和30年代後半から人口が減り続けてきた中国地方の山間部や日本海側は、人口減少のベテランであり、「いる人間で、すべきことをやるしかない」ことを、時間をかけて納得してきた。しかし、東北も、やがて九州・関西・中部や首都圏も、中国地方より遅れて、しかしとても急速に、多老化が進んでいく。

 
課題先進国が、課題解決先駆国であるためには、生命の息吹豊かな森のように、チャレンジが生まれ、育ち、競い合う地域が増えなければならない。今、私は、島根県や山形県など、日本海側の地域にお邪魔する機会が増えているが、そこでは必ず「日本一の課題先進地域だからこそ、課題に挑むチャレンジに日本一やさしい地域になろう!」と呼びかけている。

 
東北を、日本を、チャレンジの豊かな森に。日本が21世紀を生き抜くためには、それしかない。

 

 

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