東北復興ソーシャルビジネスプロジェクトメッセ ステージプログラム聴講ご案内

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▼【参加者募集開始!】
東北の「いま」と「これから」が分かる!
東北復興ソーシャルビジネスプロジェクトメッセ ステージプログラム聴講ご案内
https://socialbusiness-net.com/sbforum/index.html

◆ステージプログラム聴講をご希望の方はこちらから↓↓
https://www.nikkansc.co.jp/socialbusiness/entry/prg/form.cgi 
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「東北復興プロジェクトメッセ」では、東北復興に取り組むソーシャルビジネスを実践して
いる事業者やプロジェクトに多数出展いただき、東北復興の「いま」と「これから」を来場者
に知っていただくだけでなく、パネルディスカッションやプレゼンテーションも開催。
出展事業者とのマッチングの機会としてもご活用いただけます。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

■開催概要
日時:2013年3月3日(日)11:00~17:00
会場:福島市アクティブシニアセンター AOZ
(福島県福島市曽根田町1-18 MAXふくしま4階)     
主催:(一社)ソーシャルビジネス・ネットワーク/東北ソーシャルビジネス推進協議会
/福島ソーシャルビジネス推進協議会
後援:経済産業省/福島県/福島市/福島商工会議所/福島中央テレビ/福島放送/
ラジオ福島/テレビユー福島/福島テレビ/福島民報社/福島民友新聞社/
福島リビング新聞社
協力:日刊工業新聞、株式会社ジャパンエフエムネットワーク(JFN)

◆ステージプログラム(聴講申し込み要)
https://socialbusiness-net.com/sbforum/program.html

<パネルディスカッション「ソーシャルビジネスが拓く東北の未来」>
 ○パネラー
  ・久野美奈子(NPO法人起業支援ネット代表理事)
  ・田村満(株式会社高田自動車学校代表取締役社長/株式会社なつかしい未来創造株式会社代表取締役社長)
  ・鈴木和隆(NPO法人うつくしまNPOネットワーク事務局長/福島ソーシャルビジネス推進協議会) 

 ○コーディネーター
  ・町野弘明(一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク専務理事・事務局長/株式会社ソシオエンジン・アソシエイツ代表取締役社長/なつかしい未来創造株式会社取締役副社長)

<ソーシャルビジネスによる東北復興事業プレゼンテーション>
 ○プレゼンテーター
  ・畦地履正(株式会社四万十ドラマ代表取締役)
  ・大塚洋一郎(NPO法人農商工連携サポートセンター代表理事)
  ・配島一匡(公益財団法人共生地域創造財団事務局長/セカンドハーベスト・ジャパン 理事)
  ・萩原達也(満福農園)
  ・谷岡克也(株式会社株式会社アイエスエフネットライフいわき平運用部部長)
 ○モデレーター
  ・谷中修吾氏(イノベーション・デザイナー)

<パネルディスカッション「ソーシャルビジネスで東北を元気に!SB東北復興宣言」>
 ○パネラー
  ・風見正三(宮城大学事業構想学部 副学部長 教授/東北ソーシャルビジネス推進協議会会長)
  ・海津歩(一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク常務理事/株式会社スワン 代表取締役社長)
  ・福地雅人(株式会社フクトウ代表取締役/ふくしま屋台村株式会社代表取締役/株式会社仲見世代表取締役)
 ○コーディネーター
  ・熊野英介(一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク副代表理事/アミタホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長)

◆ブース出展者 全国から約70の団体が出展します!
https://socialbusiness-net.com/sbforum/list.html

【セミナーご案内】第9回障がい者雇用(20大雇用)研究会 4月18日に開催

▼一般社団法人 ソーシャルビジネス・ネットワーク主催 (協力:アイエスエフネットグループ)

 『第9回障がい者雇用(20大雇用)研究会』

~居場所と出番をもって現場で働く人の声を聞き誰もが当たり前に働ける社会作りを考える~

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障がい者、ニート、ひきこもり、DV被害者など、社会での就労が困難な人が当たり前に生活し、働くことができる社会作りを考える「障がい者雇用(20大雇用)※研究会」。

第9回となる今回は教育現場からゲストをお呼びします。

 

本研究会では障がい者や就労困難な方の働ける仕組みや環境作り等を考えてきましたが、この問題を考えるにあたり切っても切り離せないのが、彼らが社会に出る前の「教育」に関する問題です。特別支援学校として、生徒を社会に送り出していく際にどのようなことを考えるべきなのか、特別支援学校の教育現場が抱える問題は何なのか、今回は実際教育現場で奮闘する先生をゲストにお招きし、生の声を伺います。

 

※20大雇用(アイエスエフネットグループ)

アイエスエフネットグループが提唱している、就労困難な方の雇用創出を目指すスローガン。

   1:ニート・フリーター

   2:FDM(注)

   3:ワーキングプア(働く時間に制約のある方)

   4:引きこもり

   5:シニア

   6:ボーダーライン(軽度な障がいで障がい者手帳を不所持の方)

   7:DV被害者

   8:難民

   9:ホームレス

 10:小児がん経験者

 11:ユニークフェイス(見た目がユニークな方)

 12:感染症

 13:麻薬・アルコール等中毒経験者

 14:性同一性障害

 15:養護施設等出身の方

 16:犯罪歴のある方

 17:三大疾病

 18:若年性認知症

 19:内臓疾患

 20:その他就労困難な方(難病、失語症、生活保護)

 

◇日時:2013年4月18日(木)18:00~20:00

◇定員:30人

◇会場:アイエスエフネット サポートトレーニングセンター

〒107-0052 東京都港区赤坂7丁目1番16号 日本生命赤坂第二ビル3階

  東京メトロ銀座線・半蔵門線・都営地下鉄大江戸線 青山一丁目駅

4番出口より徒歩約7分。

  アクセス:http://www.isfnet.co.jp/company/branch/stc.html

 

◇ゲストスピーカー

小島邦隆氏(埼玉県立深谷はばたき特別支援学校教諭)

埼玉県深谷市にある特別支援学校。学校教育目標として、「笑顔、かがやき、そして未来へ」
をかかげ、「子どもが生き生きと学び、活動し、教職員が元気で活気のある学校」を目指している。スワン海津氏が評議員として学校運営に参画。

◇海津 歩氏(株式会社スワン 代表取締役社長)

http://www.swanbakery.jp/

1960年東京都生まれ。1985年、アルバイトからヤマト運輸に入社。世田谷の営業所に所長として就任した当時から、様々なアイディアを実行し、業績を上げる。以来、各地の営業所長、支店長を歴任。宅急便の業務改革に取り組む2005年「スワンベーカリー」を経営する株式会社スワンを、小倉会長亡きあとに引き継ぎ、代表取締役社長に就任。内閣府の総理大臣直轄プロジェクトメンバーとして各大学等での講演他、国内外の社会企業の国際会議に多数出席。

 

◇スピーカー

渡邉 幸義氏(アイエスエフネットグループ  代表)

http://www.isfnet.co.jp/

1963年、静岡県生まれ。武蔵工業大学機械工学科(現、東京都市大学)を卒業し、日本ディジタルイクィップメント(現、日本HP)入社。2000年1月にITネットワークエンジニアの育成・派遣会社(株)アイエスエフネットを創業し、代表取締役に就任。会社はIT業界の“風雲児”的存在として、創業以来、7年連続の前年比120~200%成長を続けている。著者に「『未来ノート』で道は開ける」、「社員みんながやさしくなった」「雇用創造革命」「美点凝視の経営」がある。

 

◇ファシリテーター:

谷口 奈保子氏(NPO法人ぱれっと理事/SBN副代表理事)

http://www.npo-palette.or.jp/

NPO法人ぱれっと創設者。現理事長並びに「ぱれっとインターナショナル・ジャパン」代表。1983年に「ぱれっと」を設立して以来、東京・恵比寿で障害者が地域であたり前に働き、暮らし、楽しむ為の5つの拠点を創り出してきた。2010年4月、6つ目の拠点となる障害者と健常者が共同で暮らす家「ぱれっとの家いこっと」が完成。2002年「ヤマト福祉財団賞」を受賞。2006年11月「糸賀一雄記念賞」受賞。著書に「福祉に、発想の転換を!~NPO法人ぱれっとの挑戦~」「あなたとわたし わたしとあなた」がある。

 

◇参加費:

SBN会員 会員A(一般):1000円、会員B(学生):500円

 非会員 一般:3000円、学生:1500円

 

◇お申込み: https://ssl.form-mailer.jp/fms/6c8e6fd9170768

第9回障がい者雇用(20大雇用)研究会チラシ

 

【セミナーご案内】『社会事業家100人インタビュー』第13回(3/6)に開催(ゲスト・ビッグイシュー佐野氏)

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◆先輩事業家のビジネスモデルをちゃんと理解し、ちゃんと学ぶ!
 社会事業家100人インタビュー 第13回
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~「救済」ではなく「仕事」を~
ホームレスの人々の自立をサポートするしくみ

・ゲスト:佐野章二さん
(有限会社 ビッグイシュー日本 代表
特定非営利活動法人ビッグイシュー基金 理事長)

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2013年3月6日(水)19:00~21:00 @ ETIC.ソーシャルベンチャー・ハビタット(渋谷)
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一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク(SBN)、
IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] 、
特定非営利活動法人ETIC.の協働事業として開催する、
先輩社会事業家からビジネスモデルを学ぶための本企画。

今回はビッグイシュー日本 代表の佐野章二さんに学びます。

「救済」ではなく「仕事」を。
ホームレスの方々を「ビジネスパートナー」として、雑誌「ビッグイシュー」を
販売してもらい、その売上の半分以上が販売者の収入になるしくみを
つくりあげたビッグイシュー。
1991年にロンドンで生まれ、2003年9月に日本でも創刊。
若者の活字離れ、雑誌の路上販売文化がない、優れたフリーペーパーが多い、
ホームレスからは買わない、という四重苦の中で、
「日本ではビッグイシューは100%失敗する」、そういわれながらも
常識に挑戦し続けてこられた佐野章二さん。

「100%失敗する」と言われた逆境の中でなぜ事業を継続することができたのか。
そしてホームレス状態から自立するためのステップを具体的にどう支援し、
成果を生んでいるのか。
現在のビジネスモデルに達するまでのプロセスと、
ホームレス問題の解決に向けた新たな取組みについて伺います。

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● ゲスト:佐野章二さん
(有限会社 ビッグイシュー日本 代表
 特定非営利活動法人ビッグイシュー基金 理事長)
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プロフィール:
1941年大阪市生まれ。地域計画プランナーとして活動する傍ら、
NPO法制定に関する基礎調査(「市民公益活動の基盤整備に関する調査研究」)
をはじめ、仙台、神戸、広島等のNPO活動支援センターの立ち上げや、
阪神淡路大震災時には三つの応援組織立ち上げを支援。
2001年には「シチズンワークス」を設立。
市民が興味のあるテーマで自由な議論を行う「市民研究講」のなかの
「ホームレス問題研究講」から「ビッグイシュー日本版」発行のアイディア
が生まれ、2003年9月ホームレス支援雑誌『ビッグイシュー日本版』を創刊。
03年5月より現職。07年9月、特定非営利活動法人「ビッグイシュー基金」を設立。

主な著書に『ボランティアをはじめるまえに』『ビッグイシューの挑戦』など。

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● 開催概要
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日時:2013年3月6日(水)19:00~21:00

場所:ETIC.ソーシャルベンチャー・ハビタット(渋谷)
   http://www.etic.or.jp/etic/access.html

定員:約30名

参加費:
 SBN会員:  1,500円
 SBN非会員: 2,500円
  https://socialbusiness-net.com/

※うち500円は、ゲストの指定する寄付先に寄付させていただきます。
 (参加費は当日、受付にて徴収させていただきます)

※同日にSBN会員申込していただくと、会員価格でご参加できます。

対象:
社会事業家として事業を始めている方、これから始めようとされている方
ビジネスモデルの作り方を先輩社会事業家から学びたい方

主催:一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク(SBN)
   IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所]
協力:特定非営利活動法人ETIC.

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● プログラム
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◇ ゲストのご紹介、趣旨説明
◇ ゲストご自身からビジネスモデルの紹介
◇ インタビュー
  インタビュアー:ソーシャルビジネスネットワーク理事、
  IIHOE代表者 川北秀人氏
◇ 参加者からの質疑応答

・参加者からの質疑応答の時間を設けますので、
 ご参加いただく方は1人1回はご質問ください。

・ゲストの事業についてご理解いただくために、事前資料をお送りします。
(参加申込いただいた方にご連絡します。)

・希望者の方は終了後に1時間程度懇親会にご参加いただけます。
(同会場にて。1500円程度予定)

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● 申込みについて
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下記URLのフォーマットに記入の上、3月5日(火)までにお送りください。
定員になり次第、締切らせていただきますので、お早目にお申込みください。

http://goo.gl/skWyL

※開けない場合は、メールにて、お名前、ご所属、ご連絡先(eメール、電話番号)、
ご住所(市町村まで)、SBN会員有無、懇親会参加可否 を書いてお送りください。
送付先 hoshino.iihoe@gmail.com

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【お問い合わせ先】
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 IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 担当:星野
 hoshino.iihoe@gmail.com 070-6971-3523

※本事業はSBN理事を務めるIIHOE川北と、SBNとの協働事業のため、
申込対応業務をIIHOEにて担当しています。

◇本プロジェクトのfacebookページ
 http://www.facebook.com/100JapaneseSocialEntrepreneurs
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【レポート】『社会事業家100人インタビュー』特定非営利活動法人ふわり理事長/社会福祉法人むそう理事長 戸枝陽基氏

「先輩社会事業家のビジネスモデルを学ぶ」

第11回『社会事業家100人インタビュー』 

2013年1月10日(木)19時~21時 於:(特)ETIC.ソーシャルベンチャー・ハビタット

 

ゲスト:戸枝陽基 さん
特定非営利活動法人ふわり 理事長
社会福祉法人むそう 理事長 

 <プロフィール>

1968群馬県太田市生まれ。日本福祉大学卒業後、障がい者施設で7年間勤務。重症心身障がいや自閉症、精神障がいの方などと関わる。退職後、1年間の準備期間を経て、1999年「生活支援サービスふわり」運営開始。翌2000年に(特)ふわり設立。2003年(社福)むそう認可・設立。

<今回のインタビューのポイント>(川北)

最近、社会起業家をめざす人たちの中に、困難にぶち当たると「ニーズがない」「方法がない」と、事業展開を簡単にあきらめる人が多い。また、事業を立ち上げた後、「自分がやりたいこと」に都合のいいことを言ってくれる人だけを周りに集め、厳しい助言をする人を遠ざけがちではないだろうか。

戸枝さんは、重い障がいを持つ当事者とその家族の代理人に徹し、外部の声を謙虚に聞きつつ、地域に開かれ、地域とともに支える福祉サービスを展開し続けている。起業プロセスに酔わず、少しでも速く、最適なかたちでの支援の実現に注力する考え方やその具体的な手法は、福祉分野以外の活動をする人にも、ぜひ参考にしてほしい。

 

「障がい者が地域で自分らしく暮らすしくみ」をつくりだす

日本には、生まれつきの重い障がいに加え、早期段階から適切なケアがされないために発生する後天的な障がいの「二重の障がい」を持つ人が多いのですが、このことは、障がい者自身の生活を困難にするだけでなく、保険料や生活保護費の拡大にもつながっています。

むそうでは、他の団体や施設では対応がむずかしい重度障がいや重複障がいを持つ方が、就労等を通して自分ができることを増やす「発達保障」と、日常の生活から看取りまで地域で支援する「生涯保障」の二軸でサービスを展開しています。具体的には、障がいを持つ人がその時々に必要なサービスを組み合わせて、大きな施設に入らなくても地域で生活が続けられるようにするための、「住む」(1人暮らし支援・グループホーム・ケアホーム・在宅支援)、「働く・生きがいをもつ」(通所施設・デイサービス・就労支援)、「余暇を楽しむ・社会に参加する」(移動支援・本人会支援・情報提供支援)という3つの支援です。

これらの活動の中で、関係する制度を変えるべき・新たにつくるべきという結論になれば、積極的にロビイングにも関わります。制度はあくまで道具であり、今ある制度内で事業を最適化したりするべきではありません。まずふわりが、現在の制度で対応できないことや新規ニーズに応えて実績を重ねてから、それを基に国に制度化を促し、自治体から許認可を得て、むそうで力強く事業を進めていくという流れです。

 

経済による貢献で、地域社会の障がい者理解を促す

福祉を地域で拡げていくには、経済効果がないと継続できません。むそうでは多様な就労の場を設けていますが、重い障がいを持つ人でも、その人の特性や興味を生かして業務を担当できるように、複雑な仕事も工程分解して組み立てています。閉じられた場所での訓練や作業ではなく、日々、地域のお客さんと関わるほんものの環境に入ってもらうと、できることもどんどん増えていくのです。私たちも、障がいを持つ人たちの変容に、大きな手ごたえを感じています。

店舗に加え、移動販売や催しでの出店(でみせ)も、地域理解を得る機会として重要です。盆踊りや夏祭りで美味しいラーメンなどを提供して、来場者が以前の3倍に増えた例もあります。福祉団体がギブアンドギブすることで、だんだんと地域社会に受け入れられていきます。たとえば、近隣に障がい者が住まうことにも反対運動が起きないようになるのです。

 

スタッフの成長と事業拡大のバランスをとる

むそう本部は中間支援組織的な存在で、現在は各拠点から売上の2割を本部に「上納」してもらい、私の人件費をはじめとした管理部門の費用に充てていますが、今後は、給料の決定や支払いも各拠点で行えるようにしたいと考えています。どこからどのように給料が出ているかを常に意識できる環境にしないと、問題意識がない人が滞留する恐れがあるからです。

スタッフの育成上も、各拠点を独立採算とすることは不可欠です。新しいスタッフは「穴埋め式予算シート」に記入し、1年間それを自分で管理していきます。そうすることで、自分の時間単価を意識するようになるのです。

福祉分野では、ケアワークの経験なくしてソーシャルワークはあり得ません、私は、就職希望者には「10年は現場で修業!」と伝えます。ただし、言われたことだけを10年間やればよい訳ではなく、日々の実践の中で自ら気づき、成長していかなければなりません。私は、「頑張っている」ことは評価しません。それを認めてほしいという人には、「できていない」部分はどこかを示し、なぜだめか、どう足りないのかについて徹底的にディスカッションするようにしています。その結果、職員の離職率が下がり、レベルの平均値も上がりました。

また、事業を担える人がいないのに、ニーズに押されてやろうとすると失敗します。職員の成長に合わせて事業を大きくしていくこともポイントです。初めのころは、1年にひとつ新しい事業を展開するペースでした。なぜなら、まず「戸枝基準」をつくろうと思い、その現場に私自身もべったり入っていたからです。現在は、私がコンサルティング的にやり取りするだけで現場が回るようになり、事業展開がスピードアップしました。早い段階でスタッフを信じて仕事をゆだね、経営者がそのリスクを負う覚悟をしないと、人は育ちません。

最近は、「社会起業家」がもてはやされ、福祉分野にもたくさん登場しています。ただ、早期の成功を、周りも自分も求めるあまり、たいした成果を出していないにもかかわらず、「起業家」というステータスに安住してしまう危険性が高いのではないでしょうか。私自身、「起業家」と呼ばれ出したころがだめでした。「受けるかな?」と考えた企画はことごとく失敗したものです。ニーズに基づいていなかったからでしょう。

また、これまでは銀行からお金を借りてきませんでした。それは、外からお金が入ってくると、その事業の必要性を説明するスタッフの意識やスキルが研ぎ澄まされないからです。地域で就労の場をつくるための資金調達には特にそれが必要だと思っています。その意味でも、スタッフには、上司にわかってもらうためではなく、外部を説得できるレベルのプレゼンテーションを常に要求します。

 


地域や外部のリソースを活用する

利益率が高いのは、すべての事業がゼロスタートではなく、既にある事業に参画したり譲ってもらったりしてきたからです。たとえば、「きのこハウスにょきにょき」は、「中華茶房うんぷう」の常連だったお客さまできのこ栽培の農家さんから、「自分はもう引退したいので、ハウスだけでなくノウハウと販路もそのままゆずりたい」というお申し出を受けて始まりました。また、「喫茶なちゅ有脇店」は、知多クリニックという病院の中にありますが、院長さんが、「脳卒中や交通事故の後遺症で落ち込みがちな入院患者さんが、重度の障がいを持ちながら生き生きと働く障がい者と接する機会があると、大きな励ましになるのでぜひ!」と、強く依頼されたことでスタートしました。

組織を立ち上げて2年目から、(特)起業支援ネットにコンサルテーションをお願いしています。事業について意見交換した内容を、外部発表用の資料にまとめてくれるので助かっています。また、利用者の親御さんがたくさん理事になってくれていますが、理事会との関係も重要です。たとえば、新規事業を立ち上げの際には、「これはむそうが手掛けざるを得ない」と思ってくれるよう、ストーリーや写真を用意してくどき、理事が心配するであろうことを予測して回答を整理し、作りこんだ予算書で安心してもらうようにしています。

各拠点で、それぞれのスタッフが“ブレーンズ”を持っています。「外部人材の束」がたくさんある組織は強いのです。福祉団体の人は、よく「人手が足りない」と言いますが、私たちは、地域のブレーンズのコネクションによって、多くの人や情報やものを集められています。むそうが手掛ける事業のハードの見学は多いのですが、実は、スタッフがまちにコミットしていくソフトこそすごいと私は思っています。地域展開の際に、どんな人にどのような順番であいさつに行けばよいかなど、細かいことまでシート化して共有しています。

 

むそうと私がめざすもの

現在は、医療と福祉の連携が進んでいないため、その谷間に落ちてしまって支援を受けられない人が多くいます。今後は、発達障がいを早期に見立てられる人材を医療分野と連携して養成し、早期アプローチする体制づくりに挑戦していきます。また、障がい者本人と家族の暮らしをセットでフォローし続けるしくみも求められています。そのためには、さまざまな制度をバリアフリー化して柔軟に適用できるようにしないと、とても支えきれません。

私が、どういう立ち位置と機能で役に立とうとしているかを比喩的に表現するなら、こういうことです。――山に登っている途中、景色は見えません。頂上にたどり着いて周りを見渡し、(その達成感に安住することなく)登るべき他の山を見つけて、急いで降りて、また登りに行きます。つまり、降りることを前提にいつも登るのです。ただ、それぞれの山では一緒に登る人を決めて、そのパートナーには、これから昇ってくる人にアドバイスすべき内容を伝えながら登ります。

 

(文責:棟朝)

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