第1回 理想社会フォーラム 9月24日(木)18:30~ 講師:熊野英介氏

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◆第1回 理想社会フォーラム
2020年9月24日(木)18:30~20:30 @オンライン

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理想社会フォーラムとは
【ウィズ・コロナ/ポスト・コロナ時代の理想の社会を描く~持続可能で自律分散化できる処方箋とは?】を全体テーマに、様々な分野で活躍されている方を講師としてお呼びしお話を聞きつつ、講師を交えてディスカッションを行います。
オンラインで開催の為、全国から受講をいただけます!
是非ご参加ください!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆
講師:アミタホールディングス株式会社 熊野英介氏
熊野_写真
プロフィール:
アミタホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長。
公益財団法人信頼資本財団理事長。
一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク副代表理事。
「持続可能社会の実現」を掲げ、他社に先駆け再資源化事業を開始。
その後、ソリューション事業や地域支援事業を手がけ、環境分野を牽引。
未来の子供たちの尊厳を守ることをミッションに掲げ、豊かな関係性が動力となる新たな社会の創出に向けて邁進中。
著書:『思考するカンパニー』(幻冬舎)、『自然産業の世紀』[共著](創森社)
 
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● 開催概要
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日時:2020年9月24日(木)18:30~20:30
18:30~20:30 @オンライン
会場:オンライン開催
zoom URL:https://us02web.zoom.us/j/83351381947
定員:約23人(先着順)
料金:SBN会員:無料  SBN非会員: 1,000円
 
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● 申込み
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「Peatix」にて事前お申し込み・ご入金をお願いいたします。
下記よりお申込みください。
https://peatix.com/event/1618054/view
*定員になり次第、締切ります。
*特別なご事情により、事前精算・申込が行えない場合は、問合せ先までご連絡ください。
【問合せ先】
(一社)ソーシャルビジネス・ネットワーク
TEL:03-6820-6300
FAX:03-5775-7671
メールアドレス:info@socialbusiness-net.com

2020年度丸の内プラチナ大学コースにて2つのテーマで連続講座をオンラインで開講します。

一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワークが事務局をしている「丸の内プラチナ大学」にて、10月1日(木)より「SDGs経営実践コース」と「Social SHIFT テーブルコース」の、2つのテーマでの連続講座を開講します。
「SDGsビジネスコース」では、 ポストコロナを SDGs 経営の視点で探る。 SDGs を盛り込んだ国連 文書のタイトルは、「我々の世界を変革する」です。SDGs による「経営の変革」を著書「Q&A SDGs 経営」で読み解きます。
「Social SHIFT テーブルコース」では、未来志向型ビジネスや、新しい生き方・働き方を実践するソーシャル・アントレプレナーと語り合う中で、ウィズコロナ時代のライフシフト、ワークシフト、ビジネスシフトのヒントを探ります。
丸の内プラチナ大学の詳細につきましては、下記のリンク先をご確認ください。
第5期丸の内プラチナ大学2020
 
今年度は、オンライン開催となり、日本全国から受講できるようになりました。
また、参加費は、オンライン特別価格となっております。
ぜひ、ご参加ください!
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◆SDGs経営実践コース
SDGs (持続可能な開発のための目標)を盛り込んだ国連文書のタイトルは、「我々の世界を変革する:2030 アジェンダ」でした。つまり、地球規模の危機に対する変革のためのプログラムとして設計されていたのです。新型コロナーウイルスのパンデミックはまさに世界的視野に立った「経営の変革」を迫っています。ニューノーマルに向け、著書「Q&A SDGs 経営」を読み解きます。
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講師は、社会情報大学院大学 客員教授、株式会社伊藤園 元取締役の笹谷秀光さんです。

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開催期間:10月1日(木)~1月13日(水)
受講費 :10,000円(税別)
対象者 :SDGs は経営の必須要素になりました。特にポストコロナでは社会・環境課題の抜本的な見直しと変革が必要です。SDGs をリスク管理、経営企画、IR 対応に役立てるよう、講師の「産」(伊藤園)、「官」(農水省・環境省)、「学」(大学・学会)という「産官学」三分野での経験を生かし、その時々のトピックスを「SDGs 経営」の視点で読み解きます。主に経営層に最適な講座です。
詳細は、こちらをご覧ください。
SDGs経営実践コース
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◆Social SHIFTテーブルコース
人生をソーシャルな方向へ。未来志向型ビジネスや、新しい生き方・働き方を実践するソーシャル・アントレプレナーと語り合う中で、ウィズコロナ時代のライフシフト、ワークシフト、ビジネスシフトのヒントを探ります。オンラインではありますが、金曜の夜、好きなお飲み物を飲みながら、くつろいだ雰囲気の中での語らいの場です。
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講師は、一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワークの石井綾です。
⑦ 石井綾氏

◆ゲスト講師・講座概要

DAY2

ウィズコロナ時代の消費者の意識の変化と購買のあり方について、フェアトレードの視点から考えます。
■ゲスト講師:株式会社福市/Love&sense 代表取締役 高津玉枝さん

DAY3

お笑い芸人から、ソーシャル・アントレプレナーへ。「世の中を変えたい」という思いからキャリアを重ねる富山さんに、これからの働き方のヒントを得ます。
■ゲスト講師:ロッツ株式会社 代表取締役社長 富山 泰庸さん

DAY4

年間売り上げ約3億円、従業員50数名を雇用する宮崎市の文化系NPO。その代表である石田さんに、NPO経営のヒントを得ます。
■ゲスト講師:特定非営利活動法人 宮崎文化本舗 代表理事 石田達也さん

DAY5

人・団体・拠点・プロジェクト等の地域資源を編集し、コロナ禍、貧困、子育てなどの様々な分野の社会的課題解決事業を生み出す杉浦さんに、コミュニティビジネスのあり方を学びます。
■ゲスト講師: NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ 代表理事 杉浦裕樹さん

DAY6

“自分らしく生きるためのインフラづくり”をビジョンに掲げ、メンタル疾患の方を対象にした社会復帰支援事業を手掛ける伊藤さんに、これからの生き方、働き方のヒントを得ます。
■ゲスト講師:株式会社リヴァ 代表取締役 伊藤崇さん
開催期間:10月1日~11月13日
受講費 :12,000円(税別)※単発での受講(各回2,000円)も可能です。
対象者 :
・ウィズコロナの中で、働き方や暮らし方に疑問を持ち、ワークシフト、ライフシフトを志向している方
・ソーシャルビジネスについて学びたい方
・社会課題解決型ビジネスの戦略や手法に関するヒントを得たい方
詳細は、こちらをご覧ください。
Social SHIFTテーブルコース

IBM発の社会貢献プログラム「SkillsBuild」を日本国内で提供開始

キャプチャ

2020年7月7日
日本アイ・ビー・エム株式会社
一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク

日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山口 明夫、以下:日本IBM) と一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク(本社:東京都港区、代表理事:藤田 和芳、オイシックス・ラ・大地株式会社代表取締役会長)、以下:SBN)は、IBMが提唱している社会貢献プログラム「SkillsBuild(スキルズビルド)(英語)」を、SBNと連携している社会的企業であるソーシャルビジネス事業者、NPO、自治体などの複数の運営パートナーが紹介する人材向けに提供を開始します。当初はスキルアップやキャリアアップに意欲のある女性や、就職氷河期世代※1などを対象とし、プログラムの参加者はSBNや運営パートナーによるサポートを受けながら、IBMが提供するオンライン学習プラットフォーム(IBM外のWebサイトへ)にて、企業の社員ボランティアなどによる学習相談コーチングを利用し、ビジネスに必要なスキルや、IT基礎知識、IT専門知識の習得を目指します。また、プログラムの参加者はプロジェクト演習およびインターンシップによる体験学習や就職準備相談コーチングを利用して就労準備に取り組みます。
背景
AIやオートメーションの技術発展に伴い、一般職や専門職に関わらず、ほぼすべての職業がデジタル化の拡大とともに変化する昨今において、社会人にとって必要なスキルや能力も日々変化しています。IBMの調査では、今後3年間で世界12の経済大国で1億2,000万人に新たなトレーニングの受講やスキルの向上(リ・スキリング)の必要があり、2030年までに、世界で”適切なスキルを持った”人材の不足は8500万人に上ると予測されています。※2日本の労働市場においても、多くの企業は「社外からの積極的な人材の採用」を検討しているものの、採用担当者の69%が「適切な職務経験やスキルを持った人材を見つけることが難しい」と回答しています。※3一方で、氷河期世代の非正規雇用者、並びに非労働人口は590万人に達している※4と言われており、より需要に応じたスキルを習得すること、そして希望に叶った職種に就労するための支援の必要性が問われています。
IBM発の社会貢献プログラム「SkillsBuild」
SkillsBuildは、これまでの経歴、教育や人生経験にかかわらず、プログラムの参加者がビジネスに必要なスキルやIT基礎知識、IT専門知識といった今の社会で需要の高いスキルを習得し、よりよい就労への道を拓くことを支援する、IBM発の社会貢献プログラムです。SkillsBuildは各国のNPOや行政などのパートナーと共に、厳しい雇用環境や社会的な課題に直面している方の学習就労支援として、2019年にフランスIBMで始まりました。現在では、イギリス、トルコ、インドなど、10カ国以上で提供され、移民や難民、退役軍人、若者など7000人を超える方が学んでいます。
SkillsBuildのスキル習得の仕組み

  • プログラムの参加者は、無料でアクセスできる6000を超える学習コンテンツから、職種や技術分野、運営パートナーによる推奨など特定のテーマに沿って選別された学習コースにアクセスできます。
  • 学習コースには、学習修了後にデジタル・バッジを獲得できるものも含まれています。
  • プログラムの参加者は、企業や運営パートナーが提供するプロジェクト演習およびインターンシップによる体験学習によって、実践スキルを習得します。
  • 企業の社員ボランティアなどによるコーチング・サポートを受け、学びを促進します。

 

SkillsBuild概略

日本IBMの役割
日本IBMは、無償で学習や就労を支援するIBM発の社会貢献プログラムであるSkillsBuildを、日本の社会課題やニーズの解決を目指して推進します。日本での提供開始に向け、IBMの技術や社員のスキルを活用し、プログラムの最適化を図りました。

  • オンライン学習コンテンツの開発と選定:日本の労働市場において需要の高いIT関連の職業と、それに応じたスキルを調査・分析し、そのデータをもとに学習コンテンツを開発し、日本独自の学習コースを選定しました。今後も社会の需要に応じ、随時追加予定です。
  • オンライン・コーチングによるスキル習得支援:社員がボランティア・コーチとしてプログラムの参加者の質問に回答するなどの支援を行います。
  • プロジェクト演習やインターンシップによる体験学習の提供:プログラムの参加者がオンライン学習で学んだ内容を応用して経験を積む機会を提供します。

 
ソーシャルビジネス・ネットワークの役割
SBNは、全国約200社の社会的企業のネットワーク組織として、人材育成や就労支援の展開実績を持つ、SBNと連携している社会的企業であるソーシャルビジネス事業者、NPO、自治体などの運営パートナーとの連携のもと、多くの方々にSkillsBuildを学習し、活用してもらうよう呼びかけます。SkillsBuildを受講することで、困難な状況に置かれている方や、よりよい就労を希望する方に、スキル向上の機会を提供することで、社会的課題解決に寄与していきます。

  • ソーシャルインパクトの創出:運営パートナーとの連携のもと、就労が困難な状況に置かれているプログラムの参加者に対して、必要な伴走支援やメンタルケアなどの丁寧なサポートを施すことにより、よりプログラムの参加者や関係者から評価されるソーシャルインパクトを生み出します。
  • 社会性の評価と事業への反映:変化を続ける社会環境の中で、様々な就労困難な状況をつくっているソーシャルニーズを分析し、その対象となる社会課題や解決状況に応じ、対象層に対する効果的かつ組織的なアウトリーチを図るとともに、その成果の社会性評価を事業に反映させます。
  • 「SkillsBuild委員会」の設置:ソーシャルビジネスの3つの視点(社会性、事業性、革新性)に配慮し、円滑な事業推進を図ります。委員会に所属する運営パートナーごとに、推薦コースの設定などにより、各運営パートナーが紹介する人材に対しプログラムへの参加を呼びかけます。

 

SkillsBuild体制図

(事業開始時の運営パートナー ※五十音順)
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 (IBM外のWebサイトへ)
株式会社キャリア・マム(IBM外のWebサイトへ)
株式会社ゼネラルパートナーズ (IBM外のWebサイトへ)
株式会社ママスクエア(IBM外のWebサイトへ)
株式会社リヴァ(IBM外のWebサイトへ)
株式会社Waris(IBM外のWebサイトへ)
駒ヶ根市(IBM外のWebサイトへ)
 
※1. 定義の出典:30代半ばから40代半ばに至っている雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代(内閣府)https://www5.cao.go.jp/keizai1/hyogaki/20190621gaiyo.pdf (264KB, PDF, IBM外のWebサイトへ)
※2:出典:IBV  The enterprise guide to closing the skill gap 2019 https://www.ibm.com/downloads/cas/EPYMNBJA (894KB, PDF)
※3:出典:IBV Reskilling Japan 2018
https://www.ibm.com/downloads/cas/PMG8DGWG (813KB, PDF)
※4:出典:総務省「就業構造基本調査」2012
https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.html (IBM外のWebサイトへ)
IBM CSRに関する詳細は以下のリンク先をご参照ください。
https://www.ibm.org/ (英語)
 
プレスリリース配信元
https://jp.newsroom.ibm.com/2020-07-07-ibm-society-contribution-skillsbuild-japan-domestic-provide-start

【レポート】第65回 社会事業家100人インタビュー:(特)HELLOlife 代表理事 塩山諒氏

社会事業家100人インタビュー第65回 先輩社会事業家のビジネスモデルを学ぶ

2020年3月16日(月) 19:00~21:00 @東京 (特)HELLOlife 代表理事 塩山諒さん


プロフィール:
1984年兵庫県生まれ。2007年に社会変革への衝動を形にしようと「スマスタ」設立。既成概念にとらわれない創造力と、セクターを越えたつながりで、まちの格差や貧困問題解決に挑戦している。2014年度グッドデザイン賞受賞。2016年度「日本財団ソーシャルイノベーター支援制度」で、ソーシャルイノベーター10件に選定される。2017年10月、労働・雇用分野における取り組みを加速させるため「HELLOlife」へ社名変更。  

<今回のインタビューのポイント> 社会に挑む取り組みの担い手には、社会の課題を知り当事者を尊重する意識(マインド)と、課題の解決や理想の実現に挑む意欲(ガッツ)、そして、それを可能にする技能(スキル)が掛け算で求められる。独創的であるがゆえに前例がなく、理解や協力を即断されにくい課題に、どう立ち向かうか。塩山さんの取り組みの経過と工夫から学んでほしい。  

ミッションは「Create the NEW PUBLIC」 2007年に起業し、2017年にHELLOlife(ハローライフ)に団体名を改称しましたが、一貫して「Create the NEW PUBLIC(人が輝き働くための公共をつくる)」をコンセプトに、就業支援に関するサービスやプログラム、企業の採用・組織支援メニューを展開しています。また大阪府など行政とともに“若年無業者”の就労支援や、地方版ハローワークの価値拡充にも取り組んでいます。 働かず、学校にも、職業訓練にも行かない、いわゆる“ニート”の若者は、全国に約71 万人いると言われています。いきいきと働いて自立し、社会を支えるべき若者がニート状態にあることは、日本の大きな社会問題です。失業やニート、非正規雇用の問題は、貧困や学歴などと相関関係があると考えられますが、若者の問題は「甘えている」「親の教育が悪い」など自己責任問題と扱われがちで、支援が得られにくいという特徴があります。 そこで、誰もが通る「働く」というステージの機能不全を変革し、希望と安心を失わずに働き続けられる社会環境整備を目指しています。  

「大阪ニート会議」から始まった“レイブル”応援の社会づくり 2011年11月、ニート状態の若者約100人を集めて「大阪ニート100人会議」を開催しました。大阪府の雇用施策の一環として、新しい就労モデルを検討するこの会議では、ニートに代わる「レイブル(レイトブルーマー:late bloomer=遅咲き)」という呼称を発表し、将来必ず花開く若者たちを、寛容に受け入れ育てていく社会環境づくりを訴えました。その後、大阪府や企業などとともに「レイブル応援プロジェクト 大阪一丸」を開始。これまでの就活の枠を超えた就労モデル「大阪レイブル超就活」の構築や、社員がいきいきと働く職場の実践を調査・共有する「次世代ワークスタイル研究所」の開催にもつながりました。 2013年5月からは、一時的な取り組みではなく、日常的に“レイブル”を応援する仕組みづくりのために、就労・就業支援施設「ハローライフ」を開設しました。発足から今日までの登録利用者数は5,200人にのぼり、たくさんの若者や企業が集う場に発展しています。2017年5月には、総合就業支援施設「OSAKAしごとフィールド」事業を大阪府より受託し、求職者の就職活動とともに、中小企業の採用活動や人材育成を一体的に支援する事業を恒常的に展開しています。 今、力を入れているのは、住宅つき就業支援プロジェクト「MODEL HOUSE」の取り組みです。これまで、所得の低い高齢者やシングルマザーなどの入居が優先されていた公営住宅を、不安定な就労・就業状況を繰り返している若者にも提供し、同時に就職サポートプログラムや、地域コミュニティの一員として暮らすためのコミュニティサポートも続けています。2017年から開始したこのプロジェクトでは、大阪府が公営住宅や就業支援メニューの提供を、日本財団が事業全体のサポートと住宅の改修費を含む事業全体に係る事業費などを負担し、HELLOlifeがさまざまなセクターと協力体制を構築しながら就職・生活・定着支援などの事業運営を行っています。2019年は事業の実施地域である四條畷市も加わり、事業参加者の就職先として地元の中小企業との連携を強化しました。  

ーゲットは民間参入のない「公共市場」 HELLOlifeの事業の多くは、行政や企業の課題を解決するための企画・運営が中心で、2019年の売上2.8億円のうち約1億円は大阪府からの受託事業です。それ以外に厚生労働省の地域若者サポートステーション事業の受託、企業の求人記事掲載やイベントの企画・運営、就業システムや組織戦略開発サービス、ブランディングなど多岐にわたります。社内にデザインチームを有し、各事業・プロジェクトのブランド設計・制作・運用を手がけられる点も強みと言えるかもしれません。起業当初、独学で学んだデザインの知識や、社会課題を伝わる形に言語化する力やセンスも、さまざまなプロジェクトで生きています。 他方、創業から13年以上が経ち、結婚して子どもが生まれるスタッフもいます。安心して働ける組織づくりのため、近年は年単位の受託事業だけでなく、小規模でも長く続けていける自主事業を増やしています。例えば、あらゆる施策の総合拠点「ハローライフ」(大阪市西区靱本町)では、1階で日本茶スタンド「CHASHITSU」を運営しているほか、証明写真撮影とキャリア相談とを掛け合わせた「内定(うちさだ)写真館」も開設しました。2階と3階は就職の情報やイベントスペース、4階はCHASHITSUで提供するおはぎバーガーなどの製造工場で、自立を目指す若者のジョブトレーニングの場となっています。 また、年2回実施している就職支援プログラム「ハローライフスクール」では、就活テクニックではなく、「どう働き、どう暮らしたいか」という自分の軸を手に入れ、納得できる就職をサポートしています。グループワーク形式の講座やキャリア相談のほか、企業合同説明会も定期的に開催しています。 HELLOlifeの支援対象は、民間企業が多く参入する高度人材でも、行政の福祉制度受給者でもない、その間にいる人々です。具体的には、非正規雇用2036万人、ワーキングプア1139万人、若年無業者71万人。つまり、民間参入も公的支援もない「公共市場」にイノベーションを起こし、次代の公共システムを創造する−−−。それこそが、私たちの役割だと思っています。 JSE100_065hellolife3 22歳で起業、最初は「ごみひろい」から HELLOlife(当時の名称はスマイルスタイル)を立ち上げたのは22歳のときです。僕自身、小学校の途中で学校に行けなくなり、最終学歴は小学3年生。学歴がないことで苦しんだ時期があり、社会に出て働いたりボランティア活動を始めたりしてからも、かつての自分と同じように不登校になってしまう子どもたちのことが気がかりでした。彼らを見る目は、依然厳しいままです。「社会を変えたい」「動かす側にならなければならない」と思うようになりました。 最初に始めたのは「ごみひろい」です。“何かしたい”と思う若者が、おしゃれなごみ袋を片手に集まり、友だちをつくりながら気軽にできます。儲かる仕事ではありませんでしたが、地域別のごみひろいや無人島などでのイベント型企画も実施し、地域のお店や自治会などいろんな人とのつながりができました。参加者が増えメディアに取り上げられると、大阪以外の自治体や広告会社、企業などからも問い合わせが来て、社会貢献型のプロジェクトの相談が次々と増えていきました。おかげさまで今はたくさんのお仕事をいただいて自主事業も進めていますが、いろんな人と接することができるごみひろいは、今も続けています。 HELLOlifeには今、40人ほどが働いています。組織運営上の課題は、ビジネスモデルの見直しと評価制度の整備です。賞与やインセンティブの設計も練っていきたいと思っています。いずれは世界に通じるコンテンツをつくりたいです。   誰もが自分らしく生きていける社会づくりを 行政と連携して実施するプロジェクトが多くありますが、あくまで民間の立場で、かつHELLOlifeにしかできないことを続けていきたいと考えています。 求職者と企業の皆さんとがより多くの接点をもち、つながっていけるよう、現在進めているのが、駅や駅前デパートなどにおける就労支援プログラムです。2020年2月には、大阪駅直結のファッションビルLUCUA osakaで「コタツ就活EXPO」を開催しました。大阪の中小企業約50社が参加し、企業と就活生がコタツに入ってみかんを食べながら、ざっくばらんに互いの“本当のトコロ”を共有し、次への一歩を踏み出す空間を提供しました。 HELLOlifeのポリシーは「人生に向き合った価値の提供」「時代のニーズに即した新しいソリューションの開拓者になる」の2つ。これからも、「働く」にまつわるさまざまな事業を通じて、誰もが自分らしく生きていける社会づくりに貢献したいです。

(文責:エコネットワークス 新海、渡辺、近藤)

今回の「社会事業家100人インタビュー」ご参加費合計のうち4,500円は、(特)HELLOlifeへ寄付させていただきました。

【レポート】第64回 社会事業家100人インタビュー:(特)まちづくり学校 理事 山賀 昌子氏

社会事業家100人インタビュー第64回
先輩社会事業家のビジネスモデルを学ぶ

2020年2月24日(月・祝) 18:00~20:00 @新潟
(特)まちづくり学校
 理事 山賀 昌子さん

山賀 昌子氏

プロフィール:
山賀 昌子(やまが まさこ):
建設コンサルタント会社勤務を経て、2000年のまちづくり学校設立時の1年間と2011年から2019年4月まで事務局長を務める(現在は理事)。まちづくりに関わる人材育成研修の講師、ワークショップの企画運営などの活動支援、まちあるきの企画運営および支援等を行う。
 
<今回のインタビューのポイント>
地域づくりは、普遍的に求められると同時に、その地域の特性を踏まえて個別的に進める必要がある。つまり、普遍的な存在でありながら、個別的に対応する技能が求められるという、難しい役割でもある。その担い手や促し役を、官民の隔たりなく、どう育て続けるか。20年にわたって、地域で活躍する数多くの修了生を生み続けている同会の経過から学んでほしい。
 
まちづくりを担う人材を、20年以上育成しつづける
まちづくり学校は、自分たちのまちを自分たちでよくしようとする人材の育成を中心に、各地のまちづくり活動を支援するNPOで、2000年に設立され、今年で20年を迎えます。主な事業は、「まちづくり」に関する研修の企画・運営です。自治体や企業などから委託を受けて、新潟県内で研修を数多く開催してきました。
団体の理念は「まちをつくるひとをつくる」。どこに「、」を入れるか気になる一文ですが「まちをつくるひとを、つくる」「まちをつくる、ひとをつくる」のどちらでもかまいません。2年ほど前に理念を見直し、こちらになりました。加えて、「自ら行動する人を育て、共に学び合う関係を築く」、「現場に寄り添い、足りない仕組みを提供する」、「個性あるまちと人が輝く社会を創る」という3本柱を掲げ、活動しています。
学校らしく「校則」も掲げています。1つめは、「やぶへび精神」。やりたい人がやるという精神です。大変なことにあえてチャレンジする気持ちを大切にしています。2つめは、お互いに助け合う「根性よし精神」。そして3つめの「めだかの学校精神」は、職種、年代もバラバラの人たちが集まっているからこそ「みんなが生徒、みんなが先生」というフラットな関係で活動しましょうということです。これらの校則を大切にしながら、活動を続けてきました。
 
きっかけは「やぶへびの会」
設立のきっかけは、1995年に新潟県地域政策課のよびかけで、県内各地から官民のまちづくり実践者が集まり、「やぶへびの会」ができたことでした。この会の趣旨は地域情報誌の制作でしたが、月1回の会議で議論するなかで、「県内のまちづくり情報の集約と、地域づくりを担う人材の育成が必要」という話になりました。それも、かつての地域づくりを引っ張ってきたリーダー的存在ではなく、さまざまな人をつなぐコーディネーターが求められていると一致したのです。こうして始まったのが、「まちづくりコーディネーター養成講座」(現:地域づくりコーディネーター養成講座)でした。当初は県の外郭団体が主催し、その後、主催者や名称を変えながら、現在まで続いています。
回を重ねるうちに、講座内容をもとにテキストを製作することになり、1999年に発行したのが『にいがたまちづくり事典matidas(マチダス)』です。刊行後も、講座や地域づくり活動の現場で蓄積した経験を反映して改訂を重ね、2018年6月の全面的なリニューアルを経て、今もまちづくり学校の講座で使っています。
コーディネーター養成講座には、多くの「やぶへびの会」メンバーが関わっていました。その後、県からの要請もあって組織化されたのが、「参加のまちづくり研究会」(任意団体、1999年設立)です。同年は特定非営利活動促進法(NPO法)施行直後の年。総合的な人材育成を行うには、法人組織になるのが良いのではないかと、議論を重ねたうえで、法人認証を受けて登記することにしました。設立メンバーには、やぶへびの会だけでなく、コーディネーター養成講座を修了された方々も加わってくれました。
 
事務局は小さく、理事は県内あちこちに
まちづくり学校が他の多くのNPOと大きく異なるのは、事務局が小さいことです。大きなNPOは専属スタッフ数名が事業の中核を担い、理事が方針や予算を決めるケースが多いですが、まちづくり学校は違います。事業の依頼があると、1~3名の事務局から20名ほどの理事に呼びかけて、チームを組んで進めます。各チームのリーダーとマネジャーは、依頼された業務内容にもとづいて決めますが、自薦の場合も他薦の場合もあります。
理事は新潟県内全域のあちこちに住んでいるので、普段はメールやメッセンジャーで連絡をとり、資料はオンラインのストレージで共有。理事には、働いた分の報酬を支払っています。
理事が個性豊かな点も特徴です。理事はそれぞれ本業を持っており、グラフィックデザイナー、編集者、建築家、フルタイムの会社員など職種も多様です。年代も20歳代から70歳代までいます。そのおかげで、幅広い視点で話を進めることができます。
 
立場を越えたつながりと、人材育成の循環
新潟県内は、住民主体のまちづくりが活発です。行政職員も「市民と一緒にやろう」という気持ちが強い地域が多いですし、活動を支援してくださる方や団体も多いです。何より、住民の方たちがご自身で熱心に学び、活動されてきたからこそだと思います。新潟のまちづくりが活発なのは、必ずしも私たちによる成果だけではありません。
その前提の上で、私たちがどのように新潟県内のまちづくりに貢献できたかを考えると、ひとつは、「コーディネーター養成講座」が人材育成の循環の原動力になっていることが挙げられると思います。1996年の初回から昨年の第24回までの受講生の総数は674人になりました。1泊2日の研修を2回おこなう計4日間の講座で、全ての研修に出るという前提の上で、行政、民間を問わず誰でも参加できます。そのため、毎回10歳代から80歳代までの年代、職種、立場も異なる受講生が集まります。研修は県内各地で開かれる合宿形式で、「同じ釜の飯を食う仲間」として生活を共にしながら、座学だけでなくフィールドワークもしながら学ぶことを大切にしています。
市民と行政の間には対立が起こることもありますが、この研修ではそうした垣根は次第になくなっていきます。たとえば都市計画づくりの演習では、それぞれの立ち位置による考えの違いが出てきますが、「なぜそう考えるか」を聞くことで、お互いの立場を理解し合えるようになるのです。研修は学びの場であると同時に、人と人との相互理解を深め、ネットワークづくりをする場になっています。
 
修了生が、各地で活躍!
修了生は、各地でまちづくりに取り組んでいます。コーディネーターとしてまちづくりを支援する人もいれば、実践するプレイヤーも、そして、まちづくり学校の会員や理事として、各地での活動を作っていく人もいます。まちづくりの現場で活躍する修了生は、行政にとっては協働のパートナーになる存在ですので、新潟県内各地で協働のまちづくりが増えていくことにつながったと思います。
県内の地域づくり活動が増えているので、私たち自身も、各地でのお手伝いをすることが増えました。その地域に修了生がいると、事前に話を聞いたり、一緒に関わってもらったりと、現地との縁をさらに深めることができます。お手伝いくださる修了生も、自身のまちでの活動を通じて学びを深めることができるし、活動を前に進めることができる。そんな循環が生まれています。
25年前に開催されたコーディネーター養成講座第3期の受講者に、糸魚川市の職員の方がいました。数年前に課長に就任され、今度は市の事業として、コーディネーター養成講座開催を実現。同市には中間支援組織がないため、コーディネートを担える市民を育てたいという想いをお持ちでした。同市内にUターン・Iターンした女性2人がこの講座を受講し、終了後に自らの構想をもとにNPOを設立、地域の温泉を市から業務委託を受け運営し始めました。周辺の高齢者の憩いの場でありながら、運営管理の引き受け手不在により存続の危機にあった温泉を立て直したのです。
2013年から始めた、地域の魅力を発見するまちあるき事業「ブラニイガタ」は、これまでに参加者、スタッフを合わせると2000人以上が関わっています。新潟県内の私たちのネットワークを活かしたもので、開催地との関係がさらに深まりますし、その地域で活動している方々を後押しすることにもつながります。各地で企画運営をお手伝いした「観光ボランティアガイド養成講座」から活動を始めたガイドさんたちに案内してもらうこともあります。この事業は先ほどの糸魚川市でも、地域計画づくりのワークショップを開催した地区で実施し、住民と参加者で地域の魅力を分かち合い、活動を盛り上げることとなりました。
JSE100_第64回完成稿
これからは、小さなコミュニティの担い手育成も
今まで20年にわたって、まちづくりに携わる人材を育て続け、人材育成の循環を生み出し、県内の地域づくり活動をサポートしてきました。これから人口減少に伴い社会が縮小していく中で、より小さな地域コミュニティにおいても地域の今後のあり方を自分たちで決め、担うことができるようにしていくことがさらに必要と思います。その必要性を伝えつつ育成の対象を広げ、私たち自身がそのノウハウを構築して提供できるようにしていきたいです。
一方で、課題もあります。それは、収入の多くを委託事業に頼っていること。委託事業は依頼されないと成り立たないため、運営を安定させるためには、企業とのコラボレーションや、自主事業の充実などを進めていきたいです。
また、NPO法人として活動しているからか、ボランティアで働いているイメージを持たれ、委託費や報酬が高額と捉えられることもあります。しかし、私たちのような役割は専門性もあり、さまざまな領域で必要と考えていますので、ご理解いただけるよう、努めています。
最近では、ありがたいことに県外からのご依頼も増えています。今後は、県内での事業も大切にしながら、県外でもまちづくりのノウハウを広め、様々なニーズに応え、まちづくりを盛り上げていきたいです。

(文責:エコネットワークス 曽我、渡辺、近藤)

今回の「社会事業家100人インタビュー」ご参加費合計のうち2,000円は、(特)まちづくり学校へ寄付させていただきました。

社会事業家100人インタビュー 第65回 ゲスト:(特)HELLOlife 塩山 諒氏 2020年3月16日に開催決定

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◆社会事業家100人インタビュー 第65回
2020年3月16日(月) 19:00~21:00 @東京
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ゲスト:(特)HELLOlife 塩山 諒さん
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日本には、世界に紹介したい社会事業家がたくさんいます。
新たなビジネスモデルを創りだした先輩社会事業家100人に、
そのビジネスモデルを確立した経緯、
事業として成り立たせていく段階での経験談を掘り下げて
お聞きする『社会事業家100人インタビュー』。
今回は、誰もが自分らしい働き方・生き方を実現できる社会をめざして、
個人や企業の課題を解決する事業を生み出す
(特)HELLOlife(ハローライフ)の塩山 諒さんにお話を伺います。
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3月5日追記 新型肝炎についてのご連絡
新型肺炎の流行にともない、各地でイベントや講座の中止・延期が相次いでおりますが、
関係者間で検討の結果、本インタビューは「予定通り開催」いたします(当日までの
状況により、急遽中止・延期になる可能性がございますこと、ご了承ください)。
ご参加にあたりましては、以下ご確認くださいますよう、お願い申し上げます。
(1)本インタビューは、原則としてPeatixによる事前申し込み・お支払いを
お願いしておりますが、当日にならないと参加できるかどうかわからないなどの
ご事情がある場合、当日、受付でのお支払いでも大丈夫です。その場合、事前に
下記宛メールにてお申込みいただけると幸いです。
100info@socialbusiness-net.com
(@の部分は半角に変換してください。)
(2)オンラインでの配信はいたしません。
(3)会場脇に洗面所がございますので、開始前の手洗い・うがいにご協力ください。
また、会場入り口に消毒用アルコールを設置いたしますので、ご利用ください。
マスクの準備はございませんため、必要な方は各自ご着用ください。
(4)お茶・リユースカップはご用意いたしますが、心配な方は、ご自身で持参ください。
(5)インタビュー終了後、同会場での懇親会は実施いたしません。すでにPeatixにて
懇親会費をお支払いくださった方には、当日返金させていただきます。申し訳ございません。
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● ゲスト紹介:(特)HELLOlife 塩山 諒さん
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大阪本町にある緑豊かな公園に面したビル。
NPO法人HELLOlifeの総合拠点です。
1階には、「働く」「仕事」にまつわる本が約200冊並ぶ、
日本茶スタンド「CHASHITSU Japanese Tea & Coffee」。
2階・3階は、「働く」「仕事」についての相談やイベントの場。
4階は、日本茶スタンドの製造工場で、就職前の若者がインターンシップで自信をつける場になっています。
HELLOlifeのビジョンは、
「誰もが自分らしい働き方・生き方を実現できる社会をつくる」。
同じコタツに入って企業との会話を深める「コタツ就活EXPO2020」、
お坊さんに“あなたのもやもや”を相談できる「お坊さん喫茶」、
住宅付きの就職支援プロジェクト「MODEL HOUSE」など、
ユニークな事業が目立ちます。
しかし、ただおもしろいだけではなく、
事業を通じて、「働く」にまつわる問題を解決し
その手法をシステムとして他の地域にも展開することをめざして、
実直な活動を続けているのです。
一人ひとりの「人生」に向き合い、新しいソリューションを開拓し続ける
代表理事の塩山 諒さんにお話を伺います。
塩山プロフィール写真
プロフィール:
塩山 諒(しおやま・りょう)(NPO法人HELLOlife 代表理事)
1984年兵庫県生まれ。2007年に社会変革への衝動を形にしようと「スマスタ」を設立。既成概念にとらわれない「創造力」と、セクターを越えた「つながり」で、この豊かなまちの格差や貧困問題解決に挑戦している。2014年度グッドデザイン賞を受賞。2016年度は「日本財団ソーシャルイノベーター支援制度」において、ソーシャルイノベーター10件に選定される。2017年10月、労働・雇用分野における取り組みを加速させるため「HELLOlife」へ社名変更。
(特)HELLOlife HP:https://co.hellolife.jp/
 
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● 開催概要
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日時:2020年3月16日(月)
19:00~21:00(開場18:45)
会場: ETIC.ソーシャルベンチャー・ハビタット(渋谷)
渋谷区神南1-5-7 APPLE OHMIビル5階
https://www.etic.or.jp/about/etic/
定員:約30人(先着順)
SBN会員: 1,500円
SBN非会員: 2,500円
※SBN:一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク
※うち1人500円分は、ゲストの指定する寄付先にそのまま寄付させていただきます。
※参加費は「Peatix」にて事前入金をお願いいたします。
対象:社会事業家として事業を始めている方、これから始めようとされている方、
ビジネスモデルの作り方を先輩社会事業家から学びたい方
共催:一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク(SBN)
IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] 
会場・広報協力:特定非営利活動法人ETIC.
運営協力:(有)エコネットワークス
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● プログラム
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◇ ゲストのご紹介、趣旨説明
◇ ゲストご自身からビジネスモデルの紹介
◇ インタビュー
インタビュアー:ソーシャルビジネス・ネットワーク理事、
IIHOE代表者 川北秀人
◇ ご参加者からの質疑応答
*ご希望の方は終了後に懇親会にご参加いただけます。
(同会場にて1時間程度。peatix申込とは別に会費2,000円)を会場にて申し受けます。
・参加者からの質疑応答の時間を設けますので、
ご参加いただく方は、お1人1問はご質問をお願いします。
・ゲストの事業についてご理解いただくために、事前資料をお送りします。
(ご参加お申し込みいただいた方に連絡いたします。)
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● 申込み
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「Peatix」にて事前お申し込み・ご入金をお願いいたします。
下記よりお申込みください。
https://peatix.com/event/1423520/view
申し込み期限:2020年3月11日(水)
*定員になり次第、締切ります。
*特別なご事情により、事前精算・申込が行えない場合は、問合せ先までご連絡ください。
【問合せ先】
(一社)ソーシャルビジネス・ネットワーク
TEL:03-6820-6300
FAX:03-5775-7671
e-mail:100info@socialbusiness-net.com
@の部分は半角に変換して、お送りください。
◇本プロジェクトのfacebookページ
◇これまでのインタビューはこちらから!
 

社会事業家100人インタビュー第64回:新潟開催! ゲスト:(特)まちづくり学校 山賀 昌子氏 2020年2月24日に開催決定

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◆社会事業家100人インタビュー 第64回
2020年2月24日(月・祝) 18:00~20:00 @新潟
ゲスト:(特)まちづくり学校 山賀 昌子さん
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日本には、世界に紹介したい社会事業家がたくさんいます。
新たなビジネスモデルを創りだした先輩社会事業家100人に、そのビジネスモデルを
確立した経緯、事業として成り立たせていく段階での経験談を掘り下げてお聞きする
『社会事業家100人インタビュー』。
今回は、協働型まちづくりに関わる人材の育成を中心に、新潟県内各地の活動を
支援する(特)まちづくり学校の山賀昌子さんにお話を伺います。
 
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●ゲスト紹介:(特)まちづくり学校 理事 山賀 昌子さん
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協働型まちづくりに必要なこととは何でしょうか?
今年で設立20周年を迎える(特)まちづくり学校が提唱してきたのは、
人材育成の大切さです。
「さまざまな人が幸せを感じながら住み続けるまちにしていくには、
そこに住む人の潜在的な力や地域固有の資源を引き出し、
活かしていくことが大切です」(まちづくり学校ウェブサイトより)
まちづくりに携わる多くの人材を輩出している「地域づくりコーディネーター
養成講座」や、地域の魅力を再発見しネットワークづくりを進めるまちあるき事業
「ブラニイガタ」など、多様な活動で各地のまちづくりを後押し、団体の理念
「まちをつくるひとをつくる」を形にしています。
photo_講座のようす
まちづくり学校を運営するメンバーは、デザイナー、編集者、建築家、会社員など
さまざまな職業の方々です。講座で学び、活動現場で学び、活躍している人もいます。

photo_やまが氏

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
山賀 昌子(やまが まさこ)
建設コンサルタント会社勤務を経て、2001年のまちづくり学校設立時の1年間と
2011年から2019年4月まで事務局長を務める(現在は理事)。まちづくりに関わる
人材育成研修の講師、ワークショップの企画運営などの活動支援、まちあるきの
企画運営および支援等を行う。
(特)まちづくり学校HP
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● 開催概要
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日時:2020年2月24日(月・祝) 18:00~20:00(開場17:45)
会場:日本自然環境専門学校 1F
(新潟市中央区花園1-3-22)*JR新潟駅万代口を出て右方向、徒歩1分
https://www.caretech.ac.jp/j_eco/access.html
定員:約15名(先着順)
参加費:1,500円
※うち1人500円分は、ゲストが指定する寄付先にそのまま寄付させていただきます。
対象:社会事業家として事業を始めている方、これから始めようとされている方、
ビジネスモデルの作り方を先輩社会事業家から学びたい方
共催:(一社)ソーシャルビジネス・ネットワーク(SBN)、
IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] 、(特)新潟NPO協会
会場協力:日本自然環境専門学校
広報協力:(特)ETIC.
運営協力:(有)エコネットワークス
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● プログラム
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◇ ゲストのご紹介、趣旨説明
◇ ゲストご自身からビジネスモデルの紹介
◇ インタビュー
インタビュアー:ソーシャルビジネス・ネットワーク理事、
IIHOE代表者 川北秀人
◇ ご参加者からの質疑応答
・質疑応答の時間を設けますので、ご参加の方は、お1人1問はご質問をお願いします。
・ご参加お申し込みいただいた方には、ゲストの事業についてご理解いただくために、
事前資料を、後日Eメールにてお送りします。
*ご希望の方は、終了後に懇親会にご参加いただけます。
(同会場にて1時間程度。参加費とは別に懇親会費1,500円を申し受けます。)
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● 申込み
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下記フォームよりお申込みください。
https://forms.gle/rje66NA4snNe46jV6

★今回は、Peatixでの事前お支払いではなく、当日会場にて参加費を申し受けます。
申し込み期限:2020年2月19日(水)
*定員になり次第、締切ります。
*ご事情により、フォームでの申込みが行えない場合は、下記問合せ先まで
メールにてお申込みください。その場合、以下項目をお知らせください。
お名前(ふりがな)/ご所属組織名/当日のご連絡先(携帯電話等)/
懇親会参加可否
【問合せ先】
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
office.iihoe(a)gmail.com   *(a)を@に直してご送付ください。
◇本プロジェクトのfacebookページ
http://www.facebook.com/100JapaneseSocialEntrepreneurs
◇これまでのインタビューはこちらから!
https://socialbusiness-net.com/newcontents01

【レポート】第63回 社会事業家100人インタビュー:(特)育て上げネット 理事長 工藤啓氏

社会事業家100人インタビュー第63回
先輩社会事業家のビジネスモデルを学ぶ

2019年12月17日(火) 19:00~21:00
於: 一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク 事務所 会議室

(特)育て上げネット 理事長 工藤啓さん

育て上げネット

プロフィール:
工藤啓(くどう・けい)
1977年、東京生まれ。米ベルビュー・コミュニティー・カレッジ卒業。2001年に任意団体「育て上げネット」を設立。2004年にNPO法人化し、理事長に就任。現在に至る。
著書に『無業社会 働くことができない若者たちの未来』(共著・朝日新書)など。
 
<今回のインタビューのポイント>
どんな分野でも、深刻な問題に法制などにもとづく行政の予算が付くようになると、その制度の内側だけで活動しようとする団体が増えてしまう。しかし、当事者の持つ特性や置かれた状況が複層的であることから、制度は「使いにくい」とされることが多く、一方で、既に税収を大幅に超える歳出を繰り返す日本においては、制度は無制限に利用できるものではない。だからこそ、課題に挑む事業家に求められるのは、資源と課題を結び付けて解決を促す力。若者の支援に多様なアプローチで取り組む工藤さんから、結び付ける力を学んでほしい。
 
若者の就労サポートから小・中・高校生、親への支援
若年無業者は全国に70万人以上いると言われています。育て上げネットは、働きたくても働くことができない若者たちの個々の課題や困難を解決しながら、「働く」と「働き続ける」の両方を実現する就労支援を続けています。
新規相談者数は年間約2,000人。日々たくさんの相談が寄せられますが、“無業”になりやすい若者は、低所得世帯や低学歴など一定の傾向があります。詳しくは『若年無業者白書』にまとめていますが、内閣府の調査(若年無業者に関する調査(中間報告))でも若年無業者が生まれる背景には、彼らをとりまく環境が大きく影響しているとわかってきました。
そこで、就労支援だけでなく、高校生へのキャリア支援や小・中学生向けの学習プログラム、家族や保護者への支援サービスも展開しています。また、若者の問題は個人的問題に帰結しがちであり、既存の枠組みでは解決しにくいという課題があるため、支援現場の実態を可視化・体系化し、セクターを超えて社会の多様なリソースが支援に関わるしくみづくりにも力を入れています。
 
適切な価格設定と多様な資金調達メニュー
育て上げネットのスタッフは、若者が相談にくるのを待っているだけはありません。事業の枠を超え、まだ出会えていない若者たちといかに接点を持てるのか(アウトリーチ)にも情熱を注いでいます。だからこそ、事業モデルのプロセスを決め、適切な価格設定が不可欠です。その上で収入と支出のバランスをはかります。
 
収入源は、就労や教育支援のサービスの利用料が基本です。ですが、負担できない若者もいるため、足りない分は様々な形で資金調達を行っています。
たとえば、自主事業の一つ「ジョブトレ」は、就労に向けてステップアップしていく基礎訓練プログラムです。生活リズムの改善から仕事に向かうためのスキル形成まで、個々の悩みや希望に応じながら進めていますが、利用料を負担できるのは50人中20人ほどにとどまっています。支払いが難しい方には、個人や企業の寄付、または行政からの委託(若年者就業支援事業 – マイチャレンジたちかわ – など)を活用して費用負担ない枠組みを作り、交通費を支給する場合もあります。
東京・立川市と府中市では、市の委託を受ける形で、生活保護あるいは生活保護家庭の若者で、就労支援を希望する方を支援しています。市は生活保護費の支給を減らすことをせず、自立に必要な費用として別予算から支出しているのがポイントです。ときに行政に働きかけて“制度拡張”を図る工夫も、より多くの若者を支援するために不可欠です。
また、定時制や通信制、進学希望者が少ない高校など年間100校以上で出張授業や個別相談などを行う教育支援事業では、主に学校や教育委員会が利用料を負担します。ただ、費用負担が難しいケースがありますので、大学などへの進学ガイド導入を高校に働きかけたい広告代理店とも連携しています。学校側から広告代理店に対し、教育支援の要望があった場合に、育て上げネットが出張授業を実施。私たちは広告代理店から費用をいただくのです。
 
「就職氷河期世代支援」で交通費支給が実現
2019年12月23日、厚生労働省が発表した『就職氷河期世代支援に関する行動計画2019』の中で、求職者の交通費を支給することが決定しました。これは日本初の試みですが、これまで「交通費支給」など実費負担支援の必要性を訴え続けてきただけに、とてもうれしいニュースでした。
交通費の支給がなぜ重要なのか。それは、経済的に苦しい状況下にいる若者にとって、たとえ就労支援プログラムの参加費が無料であっても、交通費を出せずに不参加となってしまうケースが多々あるからです。たとえばジョブトレでは、家庭の経済状況などで費用を支払えない参加者がいたため、2014年から企業の助成を受けて、支援プログラムの無償枠を拡大。交通費を支給したことで参加できた若者は約100名で、就業率は約90%です。
また、教育支援の一環で、高校に出向いた進路相談などを行っていますが、このうち東京都立秋留台高校では、就職と進学に加え、育て上げネットのような自立支援機関への仮登録を「もうひとつの進路」と認めています。高校卒業を支援の切れ目にするのではなく、継続した支援につなげているのです。
最近では、このノウハウを少年院に展開しました。少年院の管轄は矯正局、退院後は保護局となり、ここにも「切れ目」があります。現在4つの少年院で学習支援やパソコン教育を行っており、退院後の就労支援につないでいます。
目の前の若者やその家族が抱える問題を解決するために、このように現場の課題を的確にとらえ、国や公的機関に伝えながら制度やしくみを変えていくことも、私たちの重要な役割の一つです。
 
組織評価と多様なアイデアの巻き込み
組織運営にあたっては、「収益性」「生産性」「成長力」「健全性」「効率性」「安全性」といった財務分析の評価軸や営利企業の評価の考え方を導入しつつ、NPOの特性を踏まえた評価を実施しています。また、事業相関図を作成し、各事業の連携ポイントや課題点などを可視化しながら、ミッションの達成に努めています。
発展的に事業を続けていくのに不可欠なのが、行政や専門家だけでなく、多様なアクターとの連携です。特に、地元の小さな商店からグローバル企業まで、企業との協働は大きな支えとなっています。
たとえば、ニート化予防を目的とした新生銀行の学校教育向け金銭基礎教育プログラムMoneyConnection®やリクルートホールディングスの就職応援プログラムでは、「若者のために何かしたい」という志を持つ人々が様々なアイデアを出しながらバックアップしています。西友の協力により、低所得世帯の若者が自己負担なくジョブトレを受講したり、西友店舗での職業体験を受けたりといったプログラムも実現しています。
日本マイクロソフトと協働してITスキル講習の機会を提供する「若者UPプロジェクト」は、2010年から2017年度までに延べ5万人の受講生を輩出。2018年からは、厚生労働省の政策「地域若者サポートステーション」に引き継がれ、国の若年政策のなかで運用できるようになりました。この取り組みは、多様なプレーヤーが協働して社会的課題の解決を目指すコレクティブインパクト型のアプローチの好例とも評価されました。
2019年9月からはレナウンとの協働プロジェクト「Wear For The Future」を開始しました。レナウンの月額制ビジネスウェアトータルサポートサービス「着ルダケ」で、2年間利用されたスーツを、廃棄する代わりに育て上げネットを通じて、スーツを持たない若者に提供いただいています。JSE100_063_sodateage図完成稿
「若者支援は社会投資」
若者支援の活動を始めたきっかけは、私が育ってきた環境と大きな関係があります。両親は、学校や職場、社会に居場所がない若者たちと寝食をともにしながら支える活動をしていて、幼い頃から複雑な事情を抱える若者が身近にいました。
学生時代に欧州を訪れた際、若者支援の最先端と言われる施設で「社会投資(ソーシャル・インベストメント)」という言葉を聞きました。当時はまだソーシャルの意味がよくわかりませんでしたが、聞けば、自分の時間や能力を社会問題解決のために投資し、その結果、社会がよくなれば自分にも返ってくる、という価値観。私が育ってきた環境と同じだと気づきました。
そして、帰国後の2001年に育て上げネットを設立。若者を取り巻く深刻な社会課題を前に、たくさんの壁にぶち当たりましたが、そのとき力になるのは少しでも多くの若者に機会を提供する、というぶれることのないミッションと、多様なステークホルダーの存在です。これからも内外の多種多様なアイデアを取り入れながら課題を解決していけるよう、今以上に多様性にあふれた職場環境を目指していきたいです。
2020年で法人化から16年目。今の課題は「通所型」にあると思っています。育て上げネットにやってくる若者の中には、様々な事情で家族と一緒に暮らせない人がいて、通所型の支援だけでは限界があります。共同生活型の団体と連携しつつ、自分たちでも取り組みをすべきかどうか検討しています。
そこで、将来は団地を購入して、グループホームの運営をしながらの就労支援ができないかと考えています。また、就職や就業のためのサポートだけでなく、やりたいことをやりながら生きていける若者を増やしたい。たとえば、世界各国で盛り上がりを見せている「eスポーツ」へのチャレンジや起業など、“雇われる”だけではなく、新たな稼ぐ手段を身につけることも就労支援のコンテンツの一つにできれば、と話しているところです。
育て上げネットを卒業した若者たちには、いつか支える側にまわってほしい。そう願いながら“社会投資”を続けています。

(文責:エコネットワークス 新海、渡辺、近藤)

今回の「社会事業家100人インタビュー」ご参加費合計のうち3500円は、(特)育て上げネットへ寄付させていただきました。
 

【レポート】第62回 社会事業家100人インタビュー:(公財)共用品推進機構 専務理事兼事務局長 星川 安之氏

社会事業家100人インタビュー第62回 先輩社会事業家のビジネスモデルを学ぶ

2019年10月9日(水) 19:00~21:00
於: ETIC.ソーシャルベンチャー・ハビタット
(公財)共用品推進機構 専務理事兼事務局長 星川 安之さん

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プロフィール:
1980年玩具メーカーのトミー工業(株)に入社、新設の「H・T(ハンディキャップ トイ)研究室」に配属される。1999年(財)共用品推進機構設立時より事務局長・専務理事を務める。平成26年度工業標準化事業 経済産業大臣表彰受賞。著書に「共用品という思想」、「アクセシブルデザインの発想」共に岩波書店など
 
 
<今回のインタビューのポイント>
社会の課題に挑むのは、その課題の当事者や、課題解決のために起業する人々だけではない。ただ、企業が本業を通じて課題に挑み、結果として顧客や市場を拡げることは、望ましいこととはいえ、収益性を問われて難航することが多い。この問題に1980年代から向き合い、一般製品と福祉製品の重なり合う領域として「共用品」というカテゴリーを開発し、国内外で規格として拡げる取り組みを積み重ねてこられた星川さんをはじめとする共用品推進機構から、当事者と課題を理解することの重要性を再認識していただきたい。
 
 
みんなが利用しやすいもの・サービスを増やしたい
共用品・共用サービスとは「身体的な特性や障害の有無にかかわりなく、より多くの人々が共に利用しやすい製品・施設・サービス」のことです。共用品が公になる前は、障害者や高齢者が使う「福祉用具」と「一般製品」は分かれていました。それが、障害の有無を問わず一緒に学ぶ統合教育の推進や、各種条例、法律、ガイドラインの制定、高齢者の増加によるマーケットの拡大、1981年の国際障害者年を契機として、障害や身体特性に関わらずより多くの人が共に利用できる製品が検討されるようになったのです。
kyoyohin
共用品は、身のまわりにたくさんあります。たとえば温水洗浄便座は、もともと1960年ごろにスイスとアメリカで、手が不自由な方向け、および痔の人のために開発された医療機器でした。これを日本企業が福祉施設向けに販売したところ、一般に普及していきました。日本生まれの共用品に多いのは、障害者や高齢者の一般製品での不便さを取り除いたものです。シャンプーボトルを区別するための突起や音声案内のついた家電など、ちょっと家の中を見回すだけでも、多くの共用品を見つけられます。共用品の日本国内における市場規模は、約3兆円になりました。
shampoo
シャンプー・ボディソープ ボトル上部と脇の突起。リンスと区別するために、洗髪用シャンプーやボディソープには触ってわかるギザギザやたてのラインがついています
 
 
大学時代の「気づき」が共用品開発のスタートに
私が共用品に関わるようになるルーツは、大学時代の経験にさかのぼります。重複で重度の障害のある子どもたちの施設を手伝うなかで、保育士から「ここの子どもたちが使える市販品が少ない」と聞き、挑戦しがいのある応用問題だと思ったのです。そこで、おもちゃ会社なら携われるのではないかと考え、トミー工業(株)(現在の(株)タカラトミー)に就職。初代会長の遺訓「世界中の子どもたちが遊べるおもちゃを」を踏まえて、「H・T(ハンディキャップ トイ)研究室」が新設され、入社半年後に配属されました。
ところが、社内にいてもなかなか切り口を見いだせません。私は障害児施設を訪問し、子どもたちに話を聞くことにしました。1年目は約1,000人に出会うことになります。その成果を役員会で報告したところ、拍手をもらえて安堵しましたが、担当の副社長から鋭い指摘を受けるのです。「研究だけではおもちゃメーカーとは言えない」と。会社で働く以上、成果を出さなければいけません。私は数多くの子どもたちと会ったことで、おもちゃを作れる感触を得ていました。そうして開発した、視覚に障害のある子が遊べるようオルゴール音が鳴るボールは、子どもたちに受け入れられ、新聞に載るなど話題になりました。
その後は、一般のおもちゃに工夫をし、電源のオン側に小さな突起をつけて触れてわかるようにするなど、障害の有無を問わず共に遊べる「共遊玩具」に進化させていきました。そして、できあがった玩具が「視覚障害、聴覚障害がある子と一緒に遊べることをどうやって伝えるのか」という課題に関して、パッケージに、盲導犬マークやうさぎマークを付けたのです。さらに「トミーだけで取り組んでいてよいのか」という指摘に応えて、当時の会長を通じて日本玩具協会の理事会に諮ることとなりました。一社の取り組みがおもちゃ業界全体に発展していったのです。

toymark

日本玩具協会の盲導犬マーク・うさぎマーク

 
市民団体の結成が大きな転機に
業界の取り組みが広まるうちに増えてきたのが、他業種からの問い合わせでした。おもちゃの業界団体に入ってもらうわけにもいきません。そこで、関心ある方に声をかけて立ち上げたのが、様々な業界の共用品について考える市民団体「E&C(エンジョイメント・クリエーション)プロジェクト」です。最初は20名程度の小さな団体でしたが、最終的には約300社・400名ほどが集まりました。
今振り返って言えるのは、一企業ではできないことをやるのが、会社や業界の枠を超えて集まった市民団体としての価値だったということです。当事者の不便さを知らなければ、障害がある人たちが望むものは作れません。ところが、一企業による聞き取り調査ではサンプル数に限りがありますし、事業のネタにされているようで身構える人もいます。「不便を解消したい」という純粋な気持ちで集まった市民団体だからこそ、できることがあったのです。

初めに行った視覚障害者300人に対する調査では、これまで明らかになっていなかったニーズが山のように可視化され、「パンドラの箱を開けるとは、こういうことか」と思ったほどでした。不便さの声は宝物です。分野別にチームを作り、電話・交通・買い物の種類が分かるプリペイドカード、触覚で識別できる牛乳紙パックの半円の切り欠きなど、不便さを解決する製品を次々と世の中に出していきました。続いて、聴覚障害者、妊産婦、高齢者、車椅子利用者への調査を実施。高齢者の調査では、障害者が使いやすい共用品づくりが高齢者にも役立つとわかりました。

milk

牛乳パックの切り欠き部分

Scale

音声体重計。小さな文字で読みづらい計測結果も音声で伝えてくれるので、目の不自由な人にも便利です。後に当事者からの要望で、まわりに体重を聞かれないようイヤホンが付けられるように

 
 
共用品推進機構の誕生
設立から8年が経った頃には、展示会や調査など、外部から持ち込まれる相談が次第に大きくなっていきました。有志による市民団体では対応しきれないこともあります。話し合いの結果、E&Cプロジェクトを発展的に解散し、1999年に(財)共用品推進機構を設立しました(現在は公益財団法人)。
JIS(日本産業規格)策定への参画を打診されたことも、組織化のきっかけでした。規格は上から降って来るものだと思われがちですが、多様なステークホルダーが集まって検討すれば作ることができるのです。共用品がより広まるよう、様々な分野について規格をまとめました。そのうち、経済産業省からISO(国際標準化機構)への提案を相談されます。報知音や色のコントラストなどの基準をまとめたガイドがISOに採用され、2014年、ISO/IEC GUIDE71が13年ぶりに改訂されました。
 
常に課題を見つけたい
現在、共用品推進機構が行っているのは、共用品・共用サービスに関する調査研究や標準化の推進、人材育成や情報収集・提供などです。基本財産運用益、賛助会費、事業収益、補助金などを財源にしながら、安定した運営を心がけています。
大事にしているのは、常に課題を見つけ、解決していく姿勢です。2013年からは、従来の不便さ調査に加えて「良かったこと調査」をスタート。また、障害の有無、年齢、言語の違いにかかわりなく誰もが自分の意見を言える「みんなの会議」を実施しています。こういった調査や場で見つかる課題が、新たな共用品・共用サービスにつながっていきます。
失敗を通じて工夫するようになったのが、伝え方です。「高齢者にやさしいもの展」は集客に苦戦したのですが、「片手で使えるモノ展」にしたところ、ほぼ同じ展示内容でも大成功を収めました。それからは名前にも工夫をこらしています。
JSE100_062_kyoyo今後、取り組みたい課題~理解の促進や海外展開に向けて
まだ課題はたくさんあります。今後は、特に3つの課題に取り組みたいです。
1つ目は、難病の方が使える共用品づくりです。先日、表皮水疱症の患者団体の方から相談を受けました。少しの摩擦で皮膚に水疱や傷ができてしまうため、使える製品が限られています。患者数が少ないから製品化できないと思われるかもしれませんが、日本の指定難病は333種類、未指定の難病は2000~3000種類。困っている方はたくさんいらして、共通する不便さも存在しています。共用品は広まったとはいえ、まだ未着手の分野がたくさんあるのです。なお、表皮水疱症友の会 DebRA Japanでは、企業の協力を得て、共用品のおもちゃや服を入れた「ハッピーパッケージ」を、赤ちゃんや家族へ届け始めています。
2つ目は、共用サービスを広めることです。今年7月にJIS規格が「日本工業規格」から「日本産業規格」へと変わり、人的応対を含むサービス分野も対象になりました。店舗などでのアクセシビリティが改善されるようなマニュアルづくりに取り組んでいきたいです。

3つ目は、境界線をなくすこと。多くの人の心の中にある、難病や障害のある方を見てはいけないという気持ちが、境界線を作っています。共用品についても、一般製品との間にある境界線をいかになくしていくのか。将来的には共用品・共用サービスという言葉が要らない、みんなが使いやすい製品・サービスにあふれた世界にしていきたいと思っています。

(文責:エコネットワークス 曽我、渡辺、近藤)

今回の「社会事業家100人インタビュー」ご参加費合計のうち1,500円は、表皮水疱症友の会DebRA Japanへ寄付させていただきました。

【レポート】第61回 社会事業家100人インタビュー:(特)豊島子どもWAKUWAKUネットワーク 理事長 栗林 知絵子氏

社会事業家100人インタビュー第61回 先輩社会事業家のビジネスモデルを学ぶ

2019年10月3日(木)19:00~21:00
於: ETIC.ソーシャルベンチャー・ハビタット
(特)豊島子どもWAKUWAKUネットワーク 
理事長 栗林 知絵子さん

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プロフィール:
特定非営利活動法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長、民生委員児童委員。東京都豊島区在住。2004年より池袋本町プレーパークの運営に携わり地域活動を始める。自他共に認める「おせっかいおばさん」。地域の子どもを地域で見守り育てるために、プレーパーク、無料学習支援、子ども食堂などの活動を通じて、子どもと家庭を伴走支援している。
 
<今回のインタビューのポイント>(川北)
活動や事業は目的ではなく、手段に過ぎない。子ども食堂にも、開催することだけでなく、子どもと保護者のくらしをどう支えることができるかが問われている。栗林さんのお取り組みの経過から、プレーパークでの中学生との出会いを契機に、学習支援や子ども食堂、食糧提供やシェルターへと拡がり、地域とともに積み重ねられてきた、子どもと保護者を支えるコミュニティづくりを学んでいただきたい。
 
ある中学生のつぶやきから始まった“おせっかい”
豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(以下WAKUWAKU)は、地域の子どもたちを地域で見守り育てるため、2012年に設立した団体です。きっかけは、2011年夏、同じ豊島区で暮らす、男子中学生T君と出会ったことでした。
私は2004年から豊島区が主催となって開設した「池袋本町プレーパーク」で、子どもたちの遊び場づくりに携わってきました。活動を続けていると、子どものさまざまな境遇が見えてきます。中には「昨日からご飯を食べていない」「プレーパークが休みだと行くところがない」と訴えてくる子も。どうしたら子どもたちが抱える問題を解決できるかと、考えるようになりました。
そんななか、受験を控えた中学3年生のT君が、「高校に行けないかも」と言うのです。学習習慣が身につかず成績が低迷するT君は、通塾が難しい家庭環境にありました。思わず私は彼に「行けるよ!」と声をかけ、その数日後から、我が家で彼のための無料塾を開始。その後ようやく会うことのできた彼のお母さんと相談し、私が保証人となって、東京都の受験生向け助成金に申請することになりました。ですが、進学できなかった場合に保証人に返済義務が課される20万円がありません。そこで助けてくれたのが、地域の親しい知人です。1人1000円のカンパを呼びかけ、口伝いにどんどん広がった協力の輪は、約100人に。11万円が集まりました。「このまちには、困っている子どもを助けてくれる人が、こんなにもたくさんいる」と知ったのです。
T君は無事、高校に合格。結局、集めた資金は手元に残ることになりました。そこで、説明責任を果たすために、彼の合格発表報告会を開催したところ、足を運んでくれた地域住民は80人以上。T君は「今まで生きてきた中で一番うれしい」と笑顔を見せてくれました。
「T君のようにもっと多くの子どもが、おとなになることにワクワクしてほしい!」 T君のサポートをきっかけに、そんな思いをもつ“おせっかい”たちがつながり、「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」は生まれたのです。
 
地域の子どもたちの「遊び」「学び」「暮らし」をサポート
WAKUWAKUは現在、「遊び」「学び」「暮らし」という主に3つの事業を通じて子どもたちをサポートしています。
「遊び」は、プレーパークの活動を継続・発展させ、現在は豊島区の委託を受けて実施しています。遊びの目的は、体を動かしたり、子どもたちの自主性を伸ばしたりすることですが、子どもや親との会話から一人一人が抱える課題やニーズが見えてくることもあります。
そして、「学び」。無料学習支援は小学生を対象に開始しました。より早い段階で“つまずき”をサポートできればその後の人生も大きく変わると考えたからです。現在の利用者数は3拠点合わせて毎週約80人。中高生や外国人の子も通っています。教えるのは地域の社会人や学生ボランティアで、家庭の状況に左右されることなく安心して学べる場をめざしています。
「暮らし」サポートの子ども食堂は、現在区内4カ所で運営し、年間のべ6,000人が利用しています。1日1食だけ、コンビニ弁当ばかりなど、勉強どころではない子もいますので、栄養バランスのよい食事を提供し、一緒にご飯を食べる場です。場所は地域の家庭や飲食店、公共施設などのキッチンを安価でお借りし、地域の支援者や企業が提供してくださる食材をボランティアの皆さんと一緒に調理します。拠点によりますが、子どもは無料、大人は300円です。2016年には区内13カ所の子ども食堂が参画する「としま子ども食堂ネットワーク」も生まれました。
このほか、乳幼児のいる家庭を訪問する「ホームスタート」や、宿泊機能をもつ拠点「WAKUWAKUホーム」の開設など、「暮らし」のサポートを通じて、親の孤立や虐待の防止につなげています。2018年からはひとり親世帯向けの「パントリーピックアップ」も開始。行政から対象世帯に案内し、フードバンクの食材や日用品を持ち帰ってもらうプロジェクトで、年間500人が利用しています。各家庭に食材を届けるのではなく、あえて取りに来てもらう立て付けにしたことで、孤立しがちな親子が地域の人やソーシャルワーカーなどの専門家とつながる場、親同士がつながる場にもなっています。
 
同士は地域住民。ネットワークの力で切れ目のない支援へ
こうした活動は、いずれも地域で困っている子どもや親たちの声に応えようととにかく突き進んできた結果、積み重なっていったものです。
たとえば、学習支援の教室で、勉強に限らず多様な経験ができるようにしているのは、ある母親の「年末年始は一番つらい」という言葉がきっかけでした。多くの子どもたちが家族で楽しく過ごす、クリスマスや年越し・お正月。そのお母さんは子どもに寂しい思いをさせていることに心を痛めていたのです。ならば、と開いたのがクリスマス会です。この小さな会は毎年恒例行事となり、今や地域の劇場が場所を提供し、大学生が企画するなど、地域のさまざまな立場の人が子どもたちを楽しませようと協力するイベントに発展しました。こうした季節ごとの行事やネパール子ども食堂、LGBTカフェ、キャンプなど、さまざまな形で子どもたちの声に応えてきました。
WAKUWAKUの活動は、各種助成金や篤志家からの寄付に支えられていますが、現場にはいつも地域の皆さんがいます。子どもの居場所や食材・物品をタイムリーに提供してくれる自治会や商店街の皆さん、教育指導や広報活動を買って出てくれる大学生、弁護士・税理士・カウンセラーといった専門職など、地域住民こそが同志だと思っています。
「あの子の悩み、知ったからには放っておけない」。根底には、そんなマインドがあります。事業計画や定量的な目標をもつことなく、ニーズありきで動き出してしまう私たちの活動は、運営面で課題があるかもしれません。ときに無力さを感じることだってあります。でも、できない理由を並べるより、自分たちにできることからやる。そして、できないときは地域の人や専門家の助けを借りる。お金がなくても多くの協力者とつながることで、地域全体が一つの家族のようになれている実感もあります。
 
「子育ては地域みんなで」の先にある社会
地域には「子育ては親の責任」と考える人が、まだまだたくさんいます。でも、WAKUWAKUは「地域みんなで子育て」という価値観を、社会の当たり前にしたいと思っています。
子どもたちへの支援は、実は地域の持続可能性を高めることにもつながると感じています。子ども食堂として利用している施設の一つに、地域の方が退職金でリフォームされた一軒家があります。高齢のお母さまが住みやすく、また、子ども食堂としても使いやすい設計にしてくださったのです。お母さまは数年前から介護が必要になり、「最期は家で」と切望していました。そのとき、在宅介護をサポートしたのがこども食堂を運営するメンバーで、最期はあたたかい雰囲気のなか、みんなで看取ることができました。高齢化が深刻化し、最期を孤独に迎える人が少なくないと言われていますが、子ども支援を名目に集まったネットワークは、高齢者をはじめ、孤立しがちな人を支えるつながりになれるかもしれません。
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子どもたちは大人の背中を見ている
めざすのは、地域に子どもの未来を応援する大人がもっと増えること。メディアの影響もあって、子ども食堂は今や全国に広がっています。2016年から2019年には、議員連盟や政府からの後押しを受けて、「こども食堂全国ツアー」を実施しました。それでもまだ、子どもを支えるのは、特定の限られた大人にとどまっていると思います。
2019年から、「誰一人孤立させない豊島区」を実現するための円卓会議を定期開催しています。地域の民生委員、行政や企業の役職者、商店会や自治会の責任者などが集まってご飯を食べながら対等に話をすることで、支援の輪を広げています。今後はこの取り組みを地区ごとに広げ、さらにきめ細かい支援につなげたいです。
子どもたちは大人たちの姿をいつも見ています。そして、地域で“おせっかい”を受けながら育った子どもたちはいずれ大人になったとき、地域に“おせっかい”を返してくれる。現にこれまでたくさんの子どもたちが地域で成長し、さまざまな場面でWAKUWAKUの活動を支えてくれています。そうした個々のつながりと信頼関係こそが、街の将来を大きく変えていくのではないでしょうか。

(文責:エコネットワークス 新海、渡辺、近藤)

 
今回の「社会事業家100人インタビュー」ご参加費合計のうち4,500円は、WAKUWAKU入学応援給付金(※)へ寄付させていただきました。
※令和2年4月に入学・進学する子どもをもつ生活が苦しいご家庭を対象とする、返済不要の給付金です。60世帯に届けられるよう、200万円を目標に寄付を受け付けていらっしゃいます。
ご寄付はこちらから:https://toshimawakuwaku.com/nyugakuouen2019/

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