【レポート】特別企画 社会事業家100人インタビュー:生活クラブ生活協同組合・東京 専務理事 村上彰一氏 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 加藤好一氏 

社会事業家100人インタビュー特別企画
先輩社会事業家のビジネスモデルを学ぶ

2017年1月10日(火)10時~11時半 於:生活クラブ館
生活クラブ生活協同組合・東京 専務理事 村上彰一さん

村上彰一様

2017年1月19日(木)14時~15時半 於:生活クラブ連合会事務所
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 会長 加藤好一さん

加藤好一様

 
<今回のインタビューのポイント>(川北)

今世紀に入って改めて関心が高まった「社会起業家」と呼ばれる人々は、ごくわずかの例外を除いて、社会の課題の1つに焦点を当てて、それに活動や事業で取り組んでいる。しかし、長い歴史を積み重ねてこられた日本の社会事業家の先輩たちに共通するのは、社会運動の基盤として組織を育て、消費者を市民へと育てるとともに、社会の課題を相次いて事業の主題としてきたことだ。世界が高く評価する日本の市民事業の代表例として、生活クラブの誕生から今日までを学んでほしい。
 
「意志あるところに生活クラブ」
1965年、牛乳の共同購入活動からスタートした生活クラブは、68年に生協法人化しました。当初、世田谷区に限定した組織を想定していましたが、練馬区の自治会生協の組合員からの要請を受け、同区の組織化にも着手。その後、保谷市(現在の西東京市)や板橋区、町田市、埼玉県新座市などにも広がっていきます。
これは、「安心・安全な商品を購入できるなら、組合員を集めることや配送などの業務を積極的に担います」という地域の人たち(組合員)の熱意や、創設者(注1)のバックグラウンドである社会党(現・社民党)員とのつながりによるもので、本部の方針や戦略ではありませんでした。実際、この時代は生協職員を求人しても集まりにくく、組合員が自律的・自発的に活動せざるを得なかったという事情もあったでしょう。「意志あるところに生活クラブ」と言われる所以です。
この「意志ある」は、気持ちだけではなく、出資金をきちんと納め、自ら動くことを意味します。80年代後半からは、関東地方以外にも広がりをみせますが、夫の転勤などの事情で地方に引っ越した組合員がその地で生活クラブを立ち上げる、というケースがほとんどでした。
消費材(後述)の供給高の拡大にともない、71年から各地で配送センター(=支部)がつくられていきますが、職員から組合員に「どれだけのお金が何のために必要か」を説明し、まず数字を理解してもらうところから始めました。
その建設費用は、主に組合員の出資と組合員債でまかなわれ、センターの経営や支部運営も、組合員によってボランタリーに行われていきます。コープかながわやコープこうべなど、大きな組織の先進事例をお手本にはしたものの、現実的には、各支部が置かれたさまざまな条件のもとで事業を進めていくしかありません。このように、「組合員による自治」は、創設の頃にすでに確立していたのです。
(注1)岩根邦雄さん。岩根さんが担った運動関係のつながりから、平田牧場や遊佐町農協など生産者とのつながりも生まれた。
 
組合員と生産者が共同で「消費材」を開発する
生活クラブでは、商品のことを消費材と呼びます。組合員は、設立当初から「私たちが生活していく上で本当に必要なものは、自分たちでつくるしかない」という強い思いを持ち、消費者にとって価値あるもの(消費材)の開発に取り組んできました。
72年の遊佐町農協との米の提携生産を皮切りに、74年には平田牧場の肉の産直がスタート。当時、センターに冷蔵施設がなかったため、職員は「無理だ」と反対したのですが、組合員が「何とか購入したい」との一心で実現させた経緯があります。平田牧場さんが、山形から東京まで豚肉を運んでくれ、組合員はトラックの助手席に乗って道案内したといいます。
実は、平田牧場と生活クラブはこの産直に先駆けて、日本初の無添加ウインナーの開発に取り組んでいました。組合員の強い要望によってソルビン酸(保存料)ゼロとしたのですが、輸送中に腐ってしまったのです。組合員はその事実を受け止めて、その後も平田牧場とのやり取りを重ね、ソルビン酸を可能な限り低減したウインナーを開発しました(注2)。実現には困難を極めましたが、生産者と組合員による消費材開発の原点でありモデルケースであると言えるでしょう。このような経験を通して、「〇〇という添加物を使っていないので、日持ちはしません」というような、生産者と組合員双方がリスクを分担するための情報開示は大切だ、という認識も自然に生まれてきたのです。
(注2)90年代に入り、生産・加工技術の向上によって、ソルビン酸を含む添加物を使用しないウインナーは実現した。
 
班による共同購入と学習の一体化

豚肉は一頭買いのため、「自分が好きな部位だけ買う」などということはできませんでした。販売単位も大きく、基本は1kgのブロック肉です(注3)。組合員同士の調整をへて、規定を満たす発注が取りまとめられ、週に1回、班に配分されていました。
毎月1回の「班会議」が組合員の自宅で行われ、職員が出向いて学習会を併催することもありました。消費材の説明にとどまらず、組合員が知りたいこと・学びたいことを学習する自発的な場です。班購入と学習の一体化は、組合員の結束力を高め、自主的な運営・管理スタイルの構築にも大きく貢献しました。その反面、このような縛りを嫌って退会する人が多かったのも事実です。
70年代に入ると、加工品開発への要望が高まります。ただ、オリジナルの消費材の開発は、組合員にとって購入の責任がともないますから、安易な開発に反対する声もまた多く、「生活クラブの加工品とはどうあるべきか」という議論が続きました。
結果として、「一次産品の延長として、素材を無駄なく有効利用する」という観点で開発がすすめられ、消費材の幅は少しずつ広がっていきました。また、77年に「生活クラブ親生会」という生産者組織(注4)が結成され、各地域で新たな生産者やメーカーがつながり、加工品の生産にも大きく貢献しました。
80年代には、デポー(注5)やワーカーズ・コレクティブ(注6)事業がスタートします。地域でくらす人の生活全体にアプローチする画期的な取り組みと言えるでしょう。
(注3)90年代以降、世帯人口の減少やライフスタイルの変化によって小容量への需要が高まり、700gパックやスライス肉の購入も可能となった。
(注4)47の生産者で発足。2016年現在、131法人が所属。
(注5)生活クラブで取り扱う食材が購入できる店舗。現在都内に9店舗あり、組合員のみ利用できる。
(注6)「暮らしやすい地域社会づくりを目的に、まちに必要な機能を自分たちで事業化し、一人ひとりが経営者であり労働者として事業に関わります。仕事の目的や働き方、報酬などはみんなで話し合って決め、責任もみんなで持つ『働く人の協同組合』です」(生活クラブ東京のウェブサイトより)。パン・お弁当販売やレストラン運営、子育て・家事・介護のたすけあいの他、個別配送組合員への消費材の配達、デポー(=店舗)のフロア業務など多様なワーカーズがある。
 
組合員自治の発展形としての地域自治の可能性

一般の消費者が利便性を求めた90年代、生活クラブ以外の生協は、組合員にできるだけ負担をかけない「手軽さ」をアピールすることで拡大を図り、結果として、生協間で顧客を奪い合うことになります。
生活クラブにとっても、組合員の増減は死活問題ですが、社会の変化に対応するきっかけをなかなかつかめませんでした。2000年代に入ってからようやく、「組織のあり方、組合員の参加のあり方、消費材の開発のあり方などを大胆に改革しないと終わりだ」という意識が共有され、(班単位の発注・配送から)個別宅配(個配)中心とすること、班を組織の単位から外して個人が決定権を持つこと、支部を「まち」と呼ぶことなどが5か年計画に明記されました。組合員の同質性を高めてここまでの力が持てたことの限界を認め、多様性と向き合うための決断です。ただし、生活クラブとしての方向性や譲れないことについては、変わらずきちんと筋を通し、差別化を図っています。
近年、「子育て世代を応援する生協」(注7)としての取り組みを進めた結果、30~40代の組合員が増加して世代交代が進み、育休時にリーダーを経験して理事・議員になったり、ワーカーズで働いたりする人も出てきました。シェア・エコノミーや人とのつながりが注目されている今こそ、生活クラブの強みが発揮できる時代なのかもしれません。
食だけでなく、生活コスト全体で生活クラブが占める割合を上げるために、特に東京では、住まいの支援にも力を入れていきたいと考えています。町田センターの跡地には、サービス付き高齢者住宅(サ高住)や組合員活動室、子育てひろば、カフェ、地域で活動連携するNPOやワーカーズ・コレクティブの事務所などで構成される福祉複合施設を建設予定です。住宅関連の専門部署があるので、組合員向けサービスとしてリフォームや新築の仲介を行っていますが、最近では、組合員が持っているアパートの建て替えの相談がきたりします。
また、あきるの市に60アールの土地を借り、体験農園「生活クラブ農場」を運営しています。組合員に大人気で、そこで収穫された野菜はデポーにも供給されています。耕作放棄地が活用されるので市も地元の人も喜んでいます。農業は多様な人が関われるので、たとえ東京でも、地域自治を推進するための重要な要素だと考えています。
(注7)子育て広場ぶらんこ(経堂)、保育園ぽむ(保谷・徳丸・砧)を運営するほか、子育て施設への消費材の配達をしている。

組織の拡大と社会への対応をリンクさせる

事業と組織の規模が大きくなってきたため、11都道県で活動する11生協の事業連合組織としての「生活クラブ連合会」が90年に結成され、現在では21都道府県の33生協で構成されています。連合会は、消費材の開発・仕入、管理・検査、物流・システム開発、カタログなど情報紙や広報物の制作を担っています。さらに、生活クラブ総体として、他組織と連帯(注8)してでも取り組むべき運動にも対応します。全国の組合員の購買力や意志を結集することで、社会に対して大きなインパクトを与え、よい方向に変えていけるからです。
地域の単協が組合員によって構成されるのに対し、連合会の「会員」は各地の単協です。一次組織(単協)が二次組織(連合会)に、一部の機能を分権・委任するという位置づけであって、連合会は単協の上部組織ではありません。もちろん、地域間の考え方の違いや温度差をコントロールし醸成する役割もありますので、連合会にとって、広報機能の充実はもっとも重要と言えるでしょう(注9)。生活クラブの一番の特徴は、組合員の主体性が教育によって形成されることなのです。
2015年からは、内橋克人氏(注10)が提唱する「FEC自給圏」の創出を方針に掲げました。これは、域内での「Food+Energy+Care」の取り組みこそがわれわれの使命であるという考え方で、正確には「+Work」です。つまり、個別にではなく、地域でこの4つを一体として、連帯して進めていかないと、日本の将来はないという危機意識からです。
東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故によって、日本はエネルギー問題に向き合わざるを得なくなりましたが、もともと北海道の生活クラブではチェルノブイリ原発事故の直後から脱原発運動が進められ、連合会の中期計画に「脱原発」の言葉を初めて入れたのが2010年、首都圏の生活クラブが協力して秋田県にかほ市に風車を建設したのが2012年です(注11)。この運動は地域とのつながりを生み、新たな消費材開発にもつながりました。また、「『六ヶ所再処理工場』に反対し、放射能汚染を阻止する全国ネットワーク」では、ワカメの生産者としてお付き合いがあった重茂漁協と協力体制をとりました。運動を維持するための事業だからこそ、いったん付き合ったら、一緒に解決していくのが原則です。「提携」と言った以上、つまみ食いにはならないのです。
(注8)協同組合石けん運動連絡会、びん再使用ネットワーク、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンなど。
(注9)連合会の主要機能は以下の5つとされている。①消費材の共同開発・共同仕入 ②広報・情報機能 ③単協・関連会社間の連携・調整 ④対外的な連帯 ⑤共済・保障
(注10)経済評論家。2012国際協同組合年全国実行委員会委員長も務めた。
(注11)生活クラブでは、2016年6月から電気の共同購入がスタートした。

(文責:棟朝)

第1回クールジャパン・マッチングフォーラム 来場者登録受付中!(無料)

第1回クールジャパン・マッチングフォーラム 来場者登録受付中!(無料)

 
内閣府知的財産戦略推進事務局・「クールジャパン官民連携プラットフォーム」主催、「第1回クールジャパン・マッチングフォーラム」は2月16日(木)に開催いたします。
来場者及び商談参加者の登録をご案内させて頂きます。
 
「第1回クールジャパン・マッチングフォーラム」の開催概要について
「クールジャパン・マッチングフォーラム」では、コンテンツ分野とそれ以外の分野(食品・観光・製造・流通等)との連携を促進するため、
・異業種連携の先進的なビジネスプロジェクトの表彰【マッチングアワード】
・異業種連携によるビジネス組成のための商談会【マッチングメッセ】
などを実施します。
 
■日  時:平成29年2月16日(木)11:00~17:30
■会  場:虎ノ門ヒルズフォーラム 5階 ホールA
(東京都港区虎ノ門1-23-3 虎の門ヒルズ森タワー)
■主  催:クールジャパン官民連携プラットフォーム
(事務局:内閣府知的財産戦略推進事務局)
■スケジュール:
11:00~17:30 マッチングメッセ(展示・商談)
(11:30~14:20に出展者によるステージプレゼンを実施)
15:00~16:30 マッチングアワード
15:00~  基調講演
デービッド・アトキンソン氏(㈱小西美術工藝社社長)
15:30~  クールジャパン・マッチングアワード表彰式
鶴保 庸介(内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略))
夏野 剛  (慶應義塾大学政策・メディア研究科 特別招聘教授(委員長))
マッチングアワード審査員・受賞者 他  出席予定
※鶴保大臣は、国会審議など緊急の用務が入った場合は、欠席となる場合があります。
16:30~17:30 ネットワーキング交流会
 

クールジャパン・マッチングメッセ出展事業者の公表について

マッチングメッセ出展事業者20社を公表いたします。
ブースでの展示に加え、ステージにおいてプレゼンを実施いたします。プレゼンの時間等の詳細については、ホームページ(http://cjmf.jp/)を御確認ください。
■登録締切:商談参加者 2月10日(金)まで
一般来場者 定員になり次第終了
※ご来場希望が多数の場合、早めに登録を締め切る場合がございます。
 
■登録方法:
1.下記URLよりご応募頂けます(書類などのご返送は不要です)
→ http://cjmf.jp/
2.添付のチラシを印刷しご記入の上、下記FAXにご返送ください
→ FAX: 03-3404-1542
3.添付のチラシを印刷しご記入の上、スキャンしたPDFを下記E-mailにご返送ください
→ E-mail: info@cjmf.jp
何卒、宜しくお願い致します。
■本件に関するお問い合わせ先
第1回クールジャパン・マッチングフォーラム事務局
電話:03-3401-5806 E-mail:info@cjmf.jp

第51回社会事業家100人インタビュー (特)自立支援センターおおいた  米倉仁氏 2017年2月22日に開催決定!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆
先輩事業家からビジネスモデルを学ぶ!
社会事業家100人インタビュー 第51回
──────────────────────────────

世界をユニバーサルデザイン社会にする!
%e7%b1%b3%e5%80%89%e4%bb%81%e3%81%95%e3%82%93
 
 
 
 
 
 
 
ゲスト:(特)自立支援センターおおいた
会長 米倉仁さん
──────────────────────────────
2017年2月22日(水)18:00~20:00
ユニバーサルスペース夢喰夢叶(大分県別府市)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆
新たなビジネスモデルを創りだした先輩社会事業家100人に、
そのビジネスモデルを確立した経緯や事業として成り立たせて
いくための経験談を掘り下げてお聞きする本企画。
今回は別府開催!
別府では「車いすの暴れん坊」*としておなじみの米倉仁さんがゲストです!

JSE100_51.jpg
※チラシはこちら:JSE100_yonekurasan_chirashi.pdf
自立支援センターおおいたを立ち上げ、障碍当事者の自立支援、
ピア・カウンセリングに長年取り組まれている米倉さん。
障碍のあるなしに関わらず誰もが安心して暮らせる地域社会を
つくろう!と飲食店やホテル、旅館などのバリアフリーコーディネイト
も行い、地域のバリアフリー化を促進。
別府を全ての人にやさしいまちにすべく、たくさんの人を
巻き込みながら、新たなチャレンジを繰り返してきた。
自立支援、ヘルパー派遣、バリアフリー促進、それだけじゃない!
地域の交流拠点としてのユニバーサルスペースの運営、
自立支援法等の制度をめぐる行政との交渉、
新しい障碍者雇用の創出、そしてユニバーサルデザインのまちづくり活動。

これまでの米倉さんのチャレンジがどんな背景で生まれたのか、
それを事業としてどう経営しているのか。
ご本人から2時間じっくりと伺います。
*『車いすの暴れん坊』(著者:米倉仁 出版社:梓書院 2016年5月)
米倉仁さんの自叙伝
──────────────────────────────
● 開催概要
──────────────────────────────
日時:2017年2月22日(水)18:00~20:00
会場:ユニバーサルスペース夢喰夢叶

(大分県別府市北浜1-4-20 セルパセオ銀座内1F)
アクセス:http://www.jp999.com/999/html/access.html
定員:約15名
対象:ビジネスモデルの作り方・事業の成り立たせ方・新たな事業のつくり方を先輩事業家から学び、自身の事業に役立てたい方
参加費:1,500円(当日会場にてお支払いください)
*参加費のうち500円は、ゲストが指定する寄付先にそのまま寄付します。
主催:(一社)ソーシャルビジネス・ネットワーク(SBN)
IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所]
──────────────────────────────
● ゲストプロフィール
──────────────────────────────
米倉 仁(よねくら ひとし)さん
(特)自立支援センターおおいた会長
(有)ヘルプメイトグループ代表取締役社長。
1961年福岡市生まれ。博多工業高校を卒業後、自衛隊に入隊。
宮崎県産業開発青年隊に入隊ののち、あさひ産業株式会社へ入社。
23歳のときに事故で頚椎損傷し、車いすに。
1991年3月28日、有限会社ヘルプメイトグループを立ち上げ、
介護用品の販売、イベント企画などを行う。
2002年1月21日、NPO法人自立支援センターおおいた
理事長に就任し(現会長)、障害者の自立支援、バリアフリー・
ユニバーサルデザインコンサル、別府・大分バリアフリー観光センター、
ユニバーサルスペース夢喰夢叶夢現鶏の飲食店運営などを手がける。
──────────────────────────────
● プログラム
──────────────────────────────
◇ ゲストのご紹介、趣旨説明
◇ ゲストご自身からビジネスモデルの紹介
◇ インタビュー
インタビュアー:ソーシャルビジネス・ネットワーク理事、
IIHOE代表者 川北秀人
◇ 質疑応答
・ご参加者からの質疑応答の時間を設けますので、お1人1回はご質問ください。
*インタビュー終了後(20~22時)、同会場にて米倉さんを囲んで懇親会を開催します。
(懇親会費3000円 2時間飲み放題)
ご参加お申込みの際に、ご出欠をお知らせください。
──────────────────────────────
● お申込みについて
──────────────────────────────
下記URLのフォーマットに記入の上、2月20日(月)までにお送りください。
定員になり次第、締切らせていただきますので、お早目にお申込みください。
申込はこちら↓
http://goo.gl/skWyL
※開けない場合は、メールにて、お名前、ご所属、ご連絡先(eメール、電話番号)、
懇親会参加可否 を書いてお送りください。
送付先 hoshino.iihoe(a)gmail.com *(a)を@に直してご送付ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【お問い合わせ先】
————————————————————-
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
hoshino.iihoe(a)gmail.com   *(a)を@に直してご送付ください。
※本事業はSBN理事を務めるIIHOE川北と、SBNとの協働事業のため、
申込対応業務をIIHOEにて担当しています。
◇本プロジェクトのfacebookページ
http://www.facebook.com/100JapaneseSocialEntrepreneurs
◇過去のインタビュー記事はこちらでご覧いただけます↓
https://socialbusiness-net.com/newcontents01
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【レポート】第50回 社会事業家100人インタビュー:(特)きらりよしじまネットワーク 事務局長 髙橋由和氏

社会事業家の先輩にビジネスモデルを学ぶ!
社会事業家100人インタビュー第50回

2016年9月7日(水)18時半~20時半
於:山形市市民活動支援センター

(特)きらりよしじまネットワーク 事務局長 髙橋由和さん 

%e9%ab%99%e6%a9%8b%e7%94%b1%e5%92%8c%e3%81%95%e3%82%93%e3%80%80

<プロフィール>
2002年にサラリーマンを辞めて、山形県川西町内の吉島地区社会教育振興会事務局長に就任。07年(特)きらりよしじまネットワーク設立、事務局長に就任。同会の活動により山形県公益大賞受賞(08年)、地域づくり総務大臣表彰(09年度)、荘内銀行ふる里創造基金地域貢献大賞受賞(12年)。おきたまネットワークサポートセンター事務局長、スポネットおきたま事務局、マイマイスポーツクラブのマネジャーなども務める。
 
<今回のインタビューのポイント>(川北)
地域の高齢者率が高まると、年金という「外貨」を地域で使ってもらえるかどうかが、地域の経済、つまりくらしの持続可能性を左右する。無償奉仕や義理人情だけでなく、お金を払ってでも受けたいサービスでお互いが支えあう、きらりよしじまネットワークの取り組みについて、特に人材育成面に注目してほしい。
 
住民自身が考えて判断し、地域経営の主体となる
山形県東置賜郡川西町吉島地区(注1)の全世帯が加入する特定非営利活動法人きらりよしじまネットワーク(以下きらり)は、地域のコーディネーターとしての役割に徹し、「地域住民があらゆる分野で、こころ豊かで一人ひとりが輝けるまちづくり」を目的として活動しています。
三世代同居率が全国トップの山形県(全国平均7.1%に対し同県は21.5%)では、家族間・地域内で助け合える状況がまだありますが、近い将来に起こることを住民自身がしっかり理解し、先を見て動いていかなければなりません。ただし、人口減少にともなう閉塞感や不安感をむやみにあおってもダメです。たとえ課題が大きくても、なるべく夢と遊び心をもって解決する方向に向けていきたいと思っています。「まだ誰もやってないこと」にこそ、人は注目しますし、お金もついてくるからです。
きらりは、行政からの要望でつくられた団体ではありません。2000年くらいから、地域のあり方についての議論を6名ほどの仲間と重ねるうち、目的ごとに組織をつくるこれまでの「分離型」の地域運営では立ちゆかないことが、だんだんわかってきました。小さな地域の中にさまざまな団体(注2)が存在すると、縦割りで団体間のつながりがないのに、担い手不足で役員は重複せざるを得ず、事業のマンネリ化によって若者の出番は減少し、団体ごとに余剰金を抱えている…などの多くの問題が発生するのです。形骸化した団体が地域の中にたくさんあっても、住民ニーズに細やかに対応できるはずがありません。
これに対して「一体型地域運営組織」なら、会議の集約化によって責任の所在が明確になるので、合意形成が速く、組織運営上の手続きも単純化・効率化できるうえ、行政との対応が一元化(注3)されるなど、メリットが多いと考えたわけです。
そこで、04年から住民を対象に、地域づくりを統治する優良な主体としてのNPO(=きらり)立ち上げについての説明会を開始しました。歴史のある数々の組織を分解しようというのですから、当然、自治会のリーダーなどからは反対されました。ただ、上記のようなメリットとデメリットを、漫画も使ってできるだけわかりやすく説明することに心を砕き、最終的には理解を得ることができました。
この説明の過程で痛感したのは、これまで、地域づくりのあり方について、住民自身が考え判断してこなかった、ということです。どの地域でも、計画や企画はコンサルタントなどの専門家や行政の役割、実行は住民の役割という分担に陥りがちではないでしょうか。分厚い資料に専門用語が多く含まれた、役所が示す案件すべてを理解するのは確かに大変で、つい判断を委ねたくなりますが、これでは、住民は主体性を持ちづらいですし、他人事として無関心に陥る可能性も高くなります。
まず、「自分で考えて決めていく」という作業を地域に根付かせることが必要だと考え、生まれた手法が「住民ワークショップ」でした。当時、地域の住民は、事務局が提示する内容についての承認や確認が主な「会議」には慣れていましたが、自由に議論して方向性を見出す話し合いには慣れていませんでした。30余年も続いた行政依存の中で、住民自らが考え行動するプランやアイディアを出し合う環境は、新鮮だったかもしれません。
(注1)川西町は、昭和の大合併で1町5カ村がひとつになった。人口約16,000人。その中の吉島地区は、人口約2,500人、725世帯、22自治会、高齢化率は32%(2016年4月末現在)。
(注2)地区公民館、自治会長連絡協議会、防犯協会、地区社会福祉協議会、衛生組織連合会など。
(注3)きらりと川西町は現在3つの会議でつながっており、きらりから、手続き上の事務作業の効率化について提案したり、地域の要望を取りまとめたうえで優先順位を付けて示すなど、機能的で対等な関係を築いている。
 
各地域での住民説明会の結果を踏まえて、06年には組織の改革と地区計画策定を実現し、07年にきらりの法人設立にこぎつけました。人口が減り続けている小さな地域だからこそ、人材と資源を集約し、住民のためのサービスを住民自身が創出していかなければ、地域の持続は不可能です。行政に依存せず、住民の愛郷心を育むことで多世代が交流し、くらしの課題を解決していくしくみをつくりたかったのです。
現在、きらりは常勤5名・非常勤23名(平均年齢34歳)の事務局が、住民のコーディネーター役となり、自主防災組織事業、介護予防と生涯学習事業、地産地消・交流事業、地域環境保全運動、子育て支援・青少年健全育成事業、地域のスポーツ拠点づくりなど全54の事業を運営し、住民活動を支援しています。全住民が事業の担い手であり利用者でもあります。各事業では、利用者からの参加費や月謝を収入とし、きらりからは、住民や企業からの寄付を原資とする「地域づくり基金」を、活動助成金として交付もします。申請によって、地域の団体や自治会など各事業体が競い合うことも大切だと考えています。
%e3%81%8d%e3%82%89%e3%82%8a%e3%82%88%e3%81%97%e3%81%98%e3%81%be%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af
「ニーズを聞く」と「解決をかたちにする」をセットで
最初の「住民ワークショップ」には、一本釣りで呼びかけ、15人の方に参加してもらいました。参加してくれたことへの心からの感謝を事務局から伝えたうえで、「住民として日ごろ感じている小さな不安・不満・意見はありませんか?」と問いかけ、意見を出してくれた参加者を、誉めるところから始めました。参加しただけで喜んでもらえる。意見やアイディアを認めてもらえる。否定されない。フレキシブルで自由な話し合いの運営に気を使いました。事務局は、その場で出されたさまざまな意見を整理しつつ、「では、解決するにはどうしたらいいと思いますか?」と問いかけ、参加者全員で考えていきます。たとえば、「地域活動に若者の参加が少ない」という声があれば、「若者に何をさせたいのか?」「若者は何ができるのか?」「若者は何を求めているのか?」などと聞き返していくわけです。
ワークショップを重ねていくうちに、驚いたことがあります。地域の課題を解決する主体が行政に対して「あれをやってほしい、これがないと困る」とただ要望するのではなく、住民が持つ資源(技術、時間、場所など)を地域に提供することで解決できないか、という思考にだんだん変わってきたのです。
これまで、住民のガス抜きの場がなかったところに、うまくこのワークショップが機能し、クチコミで参加者は増えていきました。テーマ別だけでなく、女性限定・高齢者限定などの枠も設けることで、偏りのない意見を拾っていきます。ワークショップはやりっぱなしではいけません。事務局は聞くだけに終わらせず、ワークショップや住民アンケートの結果を整理し、各小委員会→事務局会→理事会→総会という流れで上げて、具体的な企画に反映させていきます。この流れを見せることで、住民は、どこに行って誰に伝えたら解決に結びつくのか「合意形成」の形を理解し、ワークショップへの参加率もさらに上がるという好循環につながっています。
ワークショップはあくまでデータ収集のために行うものであり、「決める会議」ではないので、何を言ってもいいのです。ただし、ワークショップの企画時点で、出口を明確にする必要があります。この話し合いは何に反映されるのかが伝わらないと、次からその人は来てくれなくなります。「聞くしかけ」と「かたちにする」ことがセットになっているので、ニーズのくみ上げが続けられるのです。
たとえば、過去にこのような事例に取り組んだことがあります。ある高齢の女性から「嫁がつくってくれる(ハンバーグなどの)洋風料理の味になじめず困っている」という声がありました。これを一家庭の問題として片づけず、「おふくろの味とママの味の料理(対決)講座」を開催しました。各々の世代の得意料理をつくって試食しあうことで、ママ世代は、地域の伝統料理の美味しさを知り、夫が今、健康なのはおふくろの味のおかげだということにも気づきました。相談があった家庭では、お義母さんとお嫁さんが一緒に台所に立つようになったということです。
もちろん、ワークショップで否定的な意見や愚痴を言う人もいます。そんなときは、きらり事務局の若者がうまくいじる(突っ込む)ことで、「できない」「してほしい」で終わらないよう、楽しく前向きな改善案につなげるようにしています。大人世代にとっては、息子世代とのコミュニケーションは、楽しいものなのです。息子世代にとっても、父親には面と向かって言えないことを言える、貴重な機会となっているようです。
 
地域で人材を育て、地域に還元する
どこの地域で誰に聞いても「人材育成は重要」とおっしゃるのですが、「組織、活動にどのような人が必要なのか」が議論されていないことがほとんどです。地域で必要な人材は地域で育て、うまく世代交代させていかなければなりません。地域の中で認められて育つ環境が必要なのです。
きらりでは、19の自治公民館から半強制的にはなりますが、18~35歳の若者を推薦してもらい、事務局研修生となるまでに2年かけて育て、研修生としてさらに2年さまざまな経験を積ませます。晴れて事務局になると金バッジが支給され、地域の人たちからとてもほめてもらえることもあり、今では、大学を卒業したら事務局に推薦してほしいという予約が入るくらいです。
事務局は、地域の事業のコーディネーターですから、コーチングとファシリテーション研修の受講が必修です。また、事務局を経てマネジャーや理事になった場合は、外部から専門家を招いて、マネジメントとマーケティングについての研修を受けます。経営層の経営能力が安定すれば、事務局は安心して住民支援に力を注げるのです。
これらの研修で得たスキルは、きらりの活動だけでなく、各人が所属する会社やサークル、地域活動でも活用され、地域に還元されています。育った人材は、やがて自治公民館で若者を推薦する側にまわって、世代交代が進んでいくしくみとなっています。
また、地域活動にかかわる一住民として、そこで必要な知識やスキルを得るための研修の自発的な企画・実施もさかんに行われています。「俺が企画した研修に来ないか?」と周りの人を誘うことで、事業を一緒に進めていく仲間が広がるわけです。
そして、事業の成功にはPDCA(Plan‐Do‐Check‐Act)が必須という認識は一般的に広がってきていると思いますが、実際にうまく回していけるかは別問題ではないでしょうか。Pの時点でチェックシートをつくり、Dで月・半年ごとの進捗管理(C)を実施します。きらりの事務局は各段階でファシリテートし、確実に改善(A)へ結び付けていきます。このプロセスによって、当事者意識が醸成されるのです。
businessmodel_kirari
外とつながりながら、すべての住民に出番をつくる
これまでの「地縁」だけで地域を維持していくのには限界があります。「俺の目の黒いうちは…」「俺の代でそんなことはできない/やめられない」などの声があがってくることは避けられず、どうしても停滞するからです。課題解決を狭い場で考えないことが大切で、外部の資源を受け入れながら、「志縁」(想いを持って集まった人)をゆるやかにつなげて知恵を出し合う縁(知縁)に変えていくことが必要です。
さまざまな住民の出番があれば、支えられる立場の人も支える立場になれます。認知症の方でも、居場所の中やサークルで教える側にたつ方がいます。フットケアのインストラクター制度で資格を取ることで信用と自信につなげ、リタイア後に地域で再デビューする方もいます。学童クラブでは、地域の高齢者が担い手となって、運営をサポートしたり、元学校の先生が不得意科目克服コースで勉強を教えたり、得意分野を生かして、読み聞かせをしてくれたり、お惣菜をつくって夕食用に販売したりなど、利用者(子どもとその親)のニーズに合わせて工夫し、事業を自発的に生み出しています。農業青年コミュニティ「農道百笑一揆」にはUターン者が多く、農業研修生受け入れや農都交流、商品開発・営業などを通して、若者が高齢者の所得向上もサポートしています。
事業継続のためには、外の支援を活用する視点も必要です。内にこもらず、自分たちの活動の外への見せ方を常に意識し、事業に共感してくれる人を増やし、拡げていくことが必要です。つまり、提案力と実践力がセットで問われる訳です。助成金を使うなら、その場しのぎの使い切りにせず、次の展開につなげていかなければなりません。
移住者・UIターン者の受け入れ態勢も大切です。ただ家を手当するだけでは定着してくれません。たとえば、町内会費が高いといわれることがありますが、その場合は、内訳や使途、集金方法などについてきちんと説明しに行きます。除雪など慣れないことについては自治会でサポートし、スノーダンプの押し方も教えています。また、最初から(副会長などの)あまり負担が大きくない役を担ってもらい、地域にはやくなじんでもらえるよう配慮しています。
住民ワークショップは、お金を出して外から参加者を呼んで開催することもあります。それが基で生まれたプロジェクトもありますし、定住してくれた人もいるのです。
 
まず外からの認知を高め、地域内の信頼を得る
特定非営利活動法人化してからの3年間が大変でした。それまでの地域組織や体制を法人化したことで、何がどうよくなったのか、内外から問われ続けたからです。そこで、地域活動からの利を感じた方々にラジオや広報誌で積極的にしゃべってもらったり、ケーブルテレビに各事業を取材してもらったり、全戸配布のきらりの報告書に、住民の顔や声をどんどん出し、活動を身近に感じてもらうよう心がけました。その結果、他校区からも注目を集め、来て教えてほしいという声をたくさんいただくようになり、おかげさまでよい関係を築けています。
また、きらりは比較的、女性・子ども・高齢者に手厚い事業を推進しているので、私の母親・父親世代の方々や、子育て中のママさんたちのハートもがっちりつかんでいます。きらりへの“反対勢力”は、私と同年代の男性が多いですが、彼らも、親御さんや奥さんから「きらりのおかげで助かっている」と言われると、黙らざるを得ないようです。
私自身は、「なぜまちづくりにかかわるか」の大義(愛と情熱)を持つことを大事にしていますが、それを後押しするのは住民の声です。住民が決めたことを真摯に支援するだけ。私がいなくても、きらりが回るしくみはほぼ整ったと思います。最近は「住民内発型地方創生」とも呼ぶべき、きらりのモデルを紹介するために他の地域に出ることが増えているので、「もう頼れない」と思ってくれているのではないでしょうか。

島根県雲南市「地域自主組織のスタッフとして地域課題の解決に携わっていただける外部人材」募集

13686548_1014870131915127_4893059685697186814_n
国を挙げて地方創生が進められている中、小規模多機能自治体の先進事例として注目を集めている島根県雲南市では、現在、地域自主組織のスタッフとして地域課題の解決に携わっていただける外部人材を募集しています。
地域活性化の仕事に就きたいと考えている方、またとないこの機会に、ぜひご応募ください。
詳細はこちらです。

【レポート】第49回 社会事業家100人インタビュー:消費者信用生活協同組合 理事長 横沢善夫氏

社会事業家の先輩にビジネスモデルを学ぶ!
社会事業家100人インタビュー第49回

2016年7月28日(木)18時~20時
於:いわて県民情報交流センター

ゲスト:消費者信用生活協同組合 理事長 横沢善夫(よこさわよしお)さん 

2016-07-28 横沢氏

 
<プロフィール>
1950年岩手県生まれ。明治大学商学部卒業後、岩手県消費者信用生協入協。92年常務理事、94年専務理事に就任。12年消費者信用生協専務理事、14年理事長に就任。岩手では、多重債務問題を抱えて生活が破綻の危機に直面している消費者の救済と生活再建に取り組む。また東京では、岩手での経験を生かし、生活再生のための貸付と相談事業を立ち上げる((般社)生活サポート基金)。最近では、生活困窮問題の増加により、各関係機関と連携を図り、消費者の複合的な課題の解決に取り組んでいる。
 
<今回のインタビューのポイント>(川北)
深刻な、しかし制度の対象になりにくい当事者への積極的かつ的確な働きかけから、多様な専門職種の連携で救済に結びつけるモデルは、一言でいえば「究極のワンストップ」あるいは「究極の顧客第一主義」。その姿勢を長年にわたって貫き通している横沢さんの使命感と取り組みから、社会起業家やNPOも、自らの事業や活動のありかたを見直してほしい。
 
「くらしとお金の悩み」の解決を支援する
消費者信用生活協同組合(以下、信用生協)は、労働組合などに加入していない未組織の労働者(注1)を対象とした、低利での生活資金融資による生活向上支援を目的として、1969年に盛岡市で設立されました。岩手県または青森県在住・在勤であればだれでも加入でき、2016年現在、組合員数は約2万人です。相互扶助の理念に基づき、組合員の出資金を元手に、相談と貸付を一体のものとし、個人ではなく家計への貸付を原則とし、家計の向上・改善に貢献することをめざしています。
信用生協の事業目的は生活改善であり、貸付はその手段のひとつにすぎません。貸付制度のほか、債務整理については法的整理の活用、生活資金については公的給付や他セーフティネット貸付などへの誘導による相談解決のサポートも行います。
貸付制度としては、次の2種類があります。

  • 消費者救済資金貸付制度(スイッチローン)

県内全自治体・弁護士会消費者問題対策委員会・地元金融機関との連携による、多重債務問題の解決を目的とする相談と債務整理資金の貸付制度。金利9.10% 限度額500万円

  • 生活再建資金貸付制度

家計の改善や生活向上に役立つ生活資金を貸付する制度(事業資金は除く)。債務整理したことで銀行から借り入れできない場合にも利用可。金利8.625% 限度額100万円
貸付にあたっては、保証会社なしで独自の審査を行っており、信用情報だけで否決とはしません。ただし、組合員と同居の家族の家計収支から返済が無理なく可能かどうかを判断するため、家計診断を受けていただくこと、また、家族などとの話し合いと支援(連帯保証人や自己資金の提供など)が得られることが条件となります。貸付ができない場合でも、他のセーフティネット貸付機関の紹介や、貸付以外の解決方法も提示し、最終的な解決まで支援しています。
(注1)労働金庫は、労働組合がある企業で働く人(組織労働者)を対象に融資を行う。これに対して、信用生協は、労働組合に組織されない労働者や中小商店の勤労者などを対象としている。
 
債権回収業務を通して、被害者救済の必要性に気付く
私は大学卒業後、共済事業団体に就職し、まもなく同じフロアの信用生協への出向を命じられました。信用生協は共済で集めたお金の運用先でしたから、いわば貸し手から借り手への出向です。実はその時期、信用生協はいい加減な貸付をしていたために、貸付残高約一億円のうち、不良債権が相当な割合を占めていました。その債権処理にあたってほしいと上司から言われたのです。金融のことは何も知らなかったので、1年間はいろいろと勉強し、翌年から債権回収にあたりました。上限金利109.5%(注2)の時代です。高利の借金に苦しむ人に多く会う中で、このひどい状況をなんとかできないかという思いで、弁護士会にも行ったのですが、なかなか相手にしてくれません。通い詰めるうち、1人の弁護士が協力してくれることになり、高利の借金を信用生協に借り換えるとともに、利息制限法を適用して過払い利息の返還を受けるなどの手法を組合せて、徐々に回収が進んでいったのです。
(注2)上限金利は、こののち83年に73.0%、86年に54.75%、91年に40.004%、2000年に29.2%、07年に20%に引き下げられた。
 
消費者金融による多重債務者増加に危機感を持つ
80年代初頭は、いわゆる「サラ金被害」が社会問題化した時期です。名義貸し事件が頻発し、自殺者も増えていました。83年に貸金業規制法・改正出資法(サラ金規制二法)が施行され、取り立て行為の禁止や貸金業の規制(届け出制から登録制へ)、上限金利の引き下げなどが実施されましたが、まだザル法といわれていました。
そこで信用生協でも、83年から、サラ金問題に対する啓発活動や相談会を、岩手県内の自治体と提携して始めました。そのころはまだ「借りる方が悪い」と考える風潮があり、被害者救済の是非については賛否両論でした。しかし、債務者を見捨てるわけにはいきません。被害が拡大する前に、潜在的な被害者を顕在化させることが必要だと感じていました。
信用生協の事務所に相談に来る人はどんどん増え、共済事業団体からの資金だけでは貸付需要に追い付かず、銀行にもお金を出してもらうことにしました。理事会からは「規模を拡大して、共済事業団体から無担保で借りている資金を返せるのか」という心配の声もあがりましたが、その予想に反し、返済の焦げ付きはほとんどありませんでした(注3)。常に債務者の側に立ち、具体的な解決策を提案し、顔の見える支援を続けたからだと思います。
(注3)貸し倒れは約0.5%で推移しており、大震災も景気の変動もほとんど影響していない。
 
独自の取り組みから、公的な支援に拡げる
87年に宮古市で被害者約230名、総額3億円に上る集団名義貸し事件が発生し、信用生協はその被害者救済のための事務局を担当しました。生協の独自資金も加えた緊急融資対応で、ほとんどの被害者が、弁護士による再建カット交渉で破産を回避し、被害を最小限に食いとめることができました。信用生協と宮古市が協働し、宮古市が地元金融機関に5,000万円を預託。その2倍の協調融資を生協が受けて1億円の融資枠を確保したのです。この取り組みが、のちの「消費者救済資金貸付制度」(スイッチローン)の原型となります。89年には盛岡市との提携による消費者救済事業が正式にスタート。このころからようやく、「多重債務問題は個人の責任ではなく社会的・構造的問題があり、多重債務者は消費者信用取引被害者だ」という認識が、県内の自治体・議会に広がり始めます。「消費者救済資金貸付制度」の導入自治体は、盛岡市で始まった89年から20年後の2009年には、県内すべての市町村を網羅しました。
 
当事者からのコンタクトを、確実に問題解決につなげる
 新規面談相談者の来店のきっかけはクチコミ(知人などからの紹介)が約35%、リピーターが約22%、他の相談機関からの紹介が約14%、広告が約13%、自動車のディーラーなどからの紹介が約6%、インターネット上の情報が約6%、金融機関・弁護士・司法書士からの紹介が約4%となっています。同様の取り組みを行っている他県と比べ、岩手ではクチコミが圧倒的です。チラシや広告は、知るきっかけにしかなりません。相談先に関する情報を集めて比較はしても、最後は知人・経験者からの紹介で決めるようです。
原則として、電話で事前に予約をいただいた上で、防音された個室で聞き取りとアセスメントを行います。必要に応じて、家族などを交えた相談も行い、関係機関との連携も図りながら、問題解決まで相談員が責任をもって支援していきます。
相談事業は、ただ窓口を設けて待っていても相談者はなかなか来ません。マーケティングをかねて、できる限りこちらからも出向いて行う必要があります。そのための体制としては、青森県(青森・八戸)と岩手県(盛岡・北上・釜石)に相談事務所を設けているほか、岩手県内の15市町村と連携した地域相談会を月1回、弁護士・司法書士による無料法律相談を毎週実施するほか、信用生協だけでは解決できない問題(離婚、詐欺、自殺防止、こころの問題、DV、ストーカーなど)解決のために、弁護士・保健師・社会福祉協議会・市や県の関連部署や相談機関、消費者センター、NPOなどと連携した「くらしとお金の合同相談会」を年4回行っています。
 
相談員のスキルアップと使命感が成果を生む
企業マーケティングと同じく、成約率と売上単価にもこだわっていますが、これらを上げていくためには、相談員一人ひとりの力量が問われます。ヒアリングのスキルを磨くだけでなく、法律改正や人口構成の変化など社会の変化にも対応する力も不可欠です。当事者に真摯に向き合い、具体的な解決策を提案し、貸しっぱなしにせず継続的にフォローすることで、相談事業は成り立っていきます。相談員でケーススタディーも行いますが、「当事者から教わる」という謙虚な姿勢を持ち続け、体得するアンテナを張り巡らせることが第一です。
また、どんな仕事でも見込み客(潜在顧客)をどれだけとれるかが勝負だと思います。特に相談業務では最初の電話を受けた時の対応ですべて決まるといっても過言ではありません。当事者が「ここに相談してもダメだ」と思ったら、二度と来てくれないからです。事務所はビルの2Fにあるので、借金や悩みを抱えた当事者が、わざわざ出向いて、階段を上って2Fのドアを開けるということがどれだけハードルが高いか、想像してみてください。病気に苦しむ人が病院に行くのと同じです。
指標としている「新規面談相談件数」は、15年度(15年6月~16年5月)は2161件でした(この10年間では、08年度の5415件をピークにゆるやかに減少しています)。内訳は、債務整理相談が1042件、生活資金相談が893件、くらしの相談が226件です。電話・メールでの相談は約2000件ありました。解決実績としては、債務整理相談は貸付による解決(一本化など)が約19%(177件/334,870千円)、弁護士など専門家介入による和解が約4%、自己破産が約7%、個人再生が約3%、身内などの援助により貸付や法的手段によらない解決が約10%、相談継続中が約30%、相談終結が約27%です。生活資金相談は、貸付による解決が約45%(429件/304,640千円)、他機関の制度利用などによる解決が約8%、相談継続中が約16%、相談終結が約31%となっています。
消費者信用生活協同組合 図
 
その人の状況にあった解決策を提案し、家族と一緒に解決していく
債務問題解決のためには、「収入増と支出減」をセットで進める必要があるので、まず家計簿による家計診断とアドバイスを行います。たとえば、パートの日数を増やす、携帯を1台にする、保険を見直すなどです。そして、家族構成に応じたライフプラン(家計の将来設計)の作成やキャッシュフロー分析を行います。ライフサイクルでどうしてもお金が要る時期があるので、その時に資金ショートしないようにアセスメントするのです。併せて、支払猶予・追貸・破産など、その人の状況にあった方法を提案しますが、最近は、この範疇で解決しきれない人もいて、生活保護をお勧めせざるを得ない場合もあります。
不動産の売却・賃貸やリバース・モーゲージのような活用は、市場性の問題で、特に地方だとむずかしいです。市街化調整区域のため簡単に売れないケースもあります。親せきに買ってもらえないかとか、借家にして家賃収入を得られないかなどの提案をすることもありますが、不動産は家系の縮図のようなもので、相続・登記がきちんとされていないなど、外部の人間が踏み込むにはハードルが高いと感じます。
家長や親せきによる保護、地域での助け合いや縁故採用など、生活を破たんさせない社会インフラが、今はほとんど機能していません。どこに相談に行ったらいいかわからず、一人で悩んでいるうちに状況がどんどん悪化します。また、関係機関をたらいまわしにされ、精神的・経済的に追い込まれてしまう方、生活に疲れ果て、相談することさえ困難になっている方への精神的サポートも、大きな課題となっています。
「貧困は連鎖する」といわれますが、近年、債務者の抱える背景や原因はいっそう複雑化していて、利殖・利得の金融概念と、支援・共生・補助の福祉概念という正反対ともいえるものを融合させたこの事業を、このまま続けるべきか続けていけるかというジレンマは感じます。生協で貸付事業を行う場合、「生協法」と「貸金業法」の下に行いますので、新しい法律やその改正に大きな影響を受けることも、その理由のひとつです(注4)。
(注4)生協法施行規則07年改正(08年施行)で、生協制度による貸付事業の特質について、アセスメントと生活再建プランの策定を行うこと、多重債務者への貸付が行えることが初めて明記された。
(文責:棟朝)

【レポート】第48回 社会事業家100人インタビュー:一般社団法人りぷらす 代表理事 橋本大吾氏

社会事業家の先輩にビジネスモデルを学ぶ!
社会事業家100人インタビュー第48回
2016年7月18日(月)18:00~20:30
於 国立オリンピック記念青少年総合センター
ゲスト 一般社団法人りぷらす 代表理事 橋本大吾さん

橋本大吾氏②

 
<プロフィール>
理学療法士。茨城県鹿嶋市出身。2011年、東日本大震災直後にリハビリテーション専門職による被災者支援団体を設立し、石巻市での活動を開始し、同年同市に移住。2013年1月「一般社団法人りぷらす」設立。「子供から高齢者まで病気や障がいの有無にかかわらず地域で健康的に生活し続ける事が出来る社会を創造する」を理念に活動。2014年1月リバイブジャパンカップ復興ビジネスベンチャー部門審査員応援賞受賞。
 
<今回のインタビューのポイント>(川北)
高齢者を対象とする取り組みのほとんどは、介護保険制度の創設以降、その枠内にとどまってしまっている。しかし本来なら、高齢者のくらしをより良いものとする、生活品質を高めるために、体力の回復や要介護度を下げるといった取り組みの方が、さらに意義も重要度も高い。このように、重要なのに担い手がいない課題に、被災地で取り組まれてきた経過と今後の展開について、しっかり伺いたい。
 
被災者支援活動を契機に石巻で起業
元々は理学療法士として関東地方で働いていましたが、東日本大震災の直後に災害支援団体を立ち上げて、被災者のリハビリテーション支援を始めました。
病院が被災し医療機関が0になった地区の担当で、仮設住宅に住む被災者や在宅に住む、主に高齢の方を中心にリハビリテーション支援を行っていました。
その地区の高齢化率は44%と、全国平均の30年くらい先、石巻市の平均からも20年先の姿です。仮設住宅から復興公営住宅に移る人がいらっしゃったりするなど、時の経過とともにコミュニティの在り方も変化している地域です。
起業しようと思ったきっかけは、ある高齢者の方が亡くなられたことでした。その方は、被災されるまでは70歳を超えてもとても元気な方でしたが、震災後に閉じこもりがちになり、足腰が弱り、ついには誤嚥性肺炎で亡くなられました。介護支援も受けていたのですが、この地域はリハビリテーションの専門家がおらず、また現状の介護支援は「改善」に重きが置かれていません。そんな人材格差や介護の在り方に疑問があり、自分が必要だと思う介護サービスを実現するために起業しました。
 
改善と予防を実現する介護事業を創る
始めたかったのは、改善と予防を実現する介護事業です。
現状の介護サービスは、介護が必要となってしまった人の対応をするための制度になっており、予防や改善ができるしくみになっていません。その状況を変えるためには、高齢者の方々が気軽に相談できる場づくりが必要だと考えました。
しかし現状の介護保険制度は、介護事業者にとって、利用者の生活を改善させていくことへのインセンティブが働かない、要介護度が高いほど報酬単価が高くなるしくみになっているため、利用者が改善していくことに財務上メリットを出せないのです。そんな状況を変えたいと思い、予防と改善のための事業を2013年から始めました。
これまで、りぷらすが運営するリハビリ特化型デイサービスでは、利用者の75%が改善につながっています。
改善効果を得る・高めるためには、まず当人の目的意識が重要ですが、サービス提供側の体制としては、効果だけでなく、効率とのバランスが重要です。介護は画一的にはできないものの、固有なものをいかに一般化していくかという視点も重要です。一般化することで、一定のレベルまで確保できるようしくみとして保障しつつ、効果をさらに高めるために個別的な要素を後で増やす工夫をします。
りぷらすのデイサービスは、高齢者だけでなく、障碍者の方も受け入れているのが、特徴のひとつです。視覚と聴覚に障害碍がある子どもが、高齢者とふれあいを通じて笑うようになるなど、さまざまな人がそれぞれの役割を果たすコミュニティが生まれています。
 
おたからサポーターとともに、地域の健康を支える
介護事業を行う事業者にとって、介護保険が適用される以外のサービスをどれだけ生み出せるかが、本来はとても重要です。このためりぷらすでは、介護だけでなく予防や改善に力を入れ、さらに、地域の健康増進にも力を入れています。
地域の健康増進事業としては、おたからサポーター(「おたがいさまカラダづくりサポーター」の略です)養成講座を行っています。地域住民から希望者を募って健康サポーターとして育成し、地域の集会所等で体操教室を開催していただいています。地域住民が講座を通じてカラダのしくみと体操の方法などを学び、参加者と一緒に体操を行いながら、自分自身と地域の健康を守る取り組みです。
2014年9月の開始以来、健康サポーターはこれまでに60名程度に達し、毎月12か所で体操教室が開催され、月間150名程度が参加してくださっています。
健康サポーターになるためには、12時間の講座を受講するとともに、4時間の現場研修にも参加し、教室の運営に参加していただく必要があります。3級から1級までの3段階を設けて、ステップアップしてもらえるしくみも用意しています。地域の健康の担い手になりたい方や、「震災時は世話になったので、今度は自分が貢献したい」という方が担い手になってくれています。毎年60名のサポーターを育成し2018年には月30カ所以上の地域で、体操教室を実施する予定で、事業を進めています。
現在は、りぷらすのスタッフが全体の運営を行っており、健康サポーター養成講座の受講料としてお一人3,000円いただいていますが、これを事業としてどう成り立たせていくのか。あるいは、ボランティアでやり続けるのか、模索を続けています。その反面で、増え続ける体操教室のニーズに対して健康サポーターの養成が追い付いていないことも課題です。
今後は、このしくみを他の地域にも移転していきたいと考えています。
りぷらす図②
被災地から、日本全体の新しい介護モデルを模索する
りぷらすの主な事業収入源は、介護報酬、障害者福祉施設報酬、おたからサポーター養成講座の受講費、公的・民間の助成金です。これまでりぷらすにとって事業が強みで、事業収益を増やそうときたことから、寄付金獲得は積極的には行っていませんでした。
しかし今日では、企業との協働プロジェクトも行っています。
デイサービスは今後、減っていく方向だと考えられるため、いかに新しい事業を生み出していけるかを重視しています。
日本全体では今後、高齢者は激増します。2012年と2025年を比較すると、埼玉県では58万人から117万人と2倍に、東京都では123万人から197万人へと1.6倍に、首都圏でも高齢者は増えます。
認知症の高齢者は全国で462万人から730万人に、高齢者世帯の全世帯に占める割合は2010年の20%から25.7%になります。
これに伴い社会保障費は増加します。2012年時点で既に約110兆円の社会保障費のうち40%は借金でまかなわれています。公的保険サービスはより重度な要介護者にシフトしていかないと制度が継続できなくなっており、軽度な方は、地域で支えなければなりません。
そのためには、地域で健康を支えるしくみが必要ですし、仕事をしながら家族の介護をしなければならない人も増加するので、それを支えるしくみが必要です。
地域互助のしくみが薄い首都圏だからこそ、そのしくみの必要性は高く、りぷらすが石巻で培ったノウハウを、いかに他の地域にも展開できるかに力を入れていきたいです。
りぷらすでは、介護報酬を増やすことではなく、利用者の状況が改善することで、どれだけ社会保障費を削減できたかを重視しています。社会的インパクト評価の指標を取り入れることも考えています。
専門職に頼るということは、税金を使うということを意味しています。自らで判断し、住民どうしで健康を支え合うようになれば、社会的な費用を削減していくことができるはずです。
(文責 伊藤)

【レポート】第45回 社会事業家100人インタビュー:(特)!-style(エクスクラメーション・スタイル) 元理事長  吉野智和氏

社会事業家の先輩にビジネスモデルを学ぶ!
社会事業家100人インタビュー 第45回

(特)!-style(エクスクラメーション・スタイル) 元理事長
久遠チョコレート プロジェクト推進リーダー
吉野智和さん

IMG_0585-1

<プロフィール>

1976年京都府出身。97年京都YMCA国際ビジネス専門学校(現:京都YMCA国際福祉専 門学校)卒業後、京都市内の知的障碍者通所授産施設で10年間勤務。同時期に「デザイン で変える福祉」をキーワードに、施設で作られる商品デザイン向上や、他施設に対してのデザインの提供等の活動を開始する。2002年に、田中純輔さんとともに、ビジネスと福祉の融合を目指したプロジェクト「!-style」を開始。06年に(特)!-style設立、副理事長・統括マネジャーに就任。07年に障害者就労移行支援事業「!-factory」を開設し、マネジャー(施設長) に就任。久遠(クオン)チョコレート 西日本統括リーダー 兼 プロジェクト推進リーダー。
 
<川北からのコメント>
「!-style」のすごさは、なんといってもそのデザインの豊かさとかっこよさ。その背景にある障碍当時者の仕事力を見抜いて、サービスや製品にする力。吉野さんがデザインしているのは、商品のパッケージではなく、「仕事力」のパッケージ。その本質を感じて欲しい。
 
 

ビジネスと福祉を融合させ、障碍者の人たちの仕事力を社会に売る

 
デザインの力で福祉を変える
 
福祉作業所で障碍者がつくる商品を、バザーではなく、一般的な市場で売っていくために、デザイン性に優れた製品を開発しようと、2002年に「!-style」(「エクスクラメーション・スタイル」)プロジェクトを立ち上げました。06年に法人化し、翌年に障害者就労移行支援事業「!-factory」を開設しました。デザイン性の高い雑貨・食材などを企画・開発し、大手企業や飲食店などへの卸・販売を手掛け、福祉とビジネスを結びつけるモデルで、10年にはグッドデザイン賞(パブリックコミュニケーション部門)を受賞しました。
デザインの力で障碍者の作る商品を売っていこうと打ち出した頃、デザイナーの方に「君たち健常者ではなく、障碍者がデザインすることに価値がある」と言われました。しかし、本当にそうでしょうか。障碍者アートには障碍者の自己表現としての役割があり、一部の人には確かにアートの才能があります。そして、障碍者の「仕事力」は、世間で認知されているほど低くはありません。ただ、健常者の生産力を10とすれば、障碍者の生産性は4〜6割程度なのは事実です。今の社会は10でなければ生産力と認められず、0と見なされてしまいます。それでも、6は6であって0ではない訳で、デザインの概念や力を福祉作業所の製品に投入し、販売のプロが売ることで、彼らの仕事力を社会に正しく伝えたいという想いで、障碍のある人の働く場を支援する活動をしています。
最初は、食器を作っていた福祉作業所で、雑貨をつくりました。同じ陶器を素材にしても、見せ方を変えることで価値が変わります。一般市場で取り扱ってもらうために、「東京インターナショナル・ギフト・ショー」に出展することを目標にしたところ、3年目には達成しました。
京都の福祉作業所では「刺し子」を扱っているところは多いのですが、一般的には、小さな布に細かい模様を刺して製品にします。製作期間1週間かけても、バザーで販売すると500円程です。製作者の1週間分の仕事力を数百円で売ってしまう、こんなバカな話はありません。そこで「!-style」では、小さな布ではなくTシャツに、現代的でシンプル模様にデザインを変えて、「刺し子Tシャツ」をつくりました。刺し子Tシャツは、アイドルがMCを務めるテレビ番組にゲストで出たアーティストのバックバンド・メンバーに着てもらえ、テレビに映ったという後日談があり、製作にあたっていた障碍者に大きな喜びをもたらしました。製品が社会とつながっているからこそ、得られた経験です。
 
価値を変えるだけでなく、売り場・見せ方・数量を変えてみる
「滋賀のPARCOで1か月間の期間限定店舗を持たないか」という話もきました。いくつかの障碍者福祉施設の商品を展示したところ、NHKの取材が入るなど注目が集まり、好評だったため、次は、大阪の一等地にあるLOFTからシャワー効果を狙った催事イベントを依頼されました。今度は日本全国の福祉施設から商品を集めたところ、非常に迫力のある売り場となり、小売業界で話題になりました。それを聞きつけた(特)ピープルデザイン研究所の須藤シンジさんから、渋谷のPARCO前で1日だけ商品販売するよう声がかったのです。渋谷の人通りを前に、私たちは福祉作業所で通常行っている作業を一般の人向けにワークショップとして開催しました。そうすると、道行く人がほぼ100%立ち止まります。「何をやってるの?」「アート系の雑貨だって」と言う声が聞こえ、売り場が変わると見え方が変わり、一般の人の認識が変わるのだと実感しました。
デザインや売り場を変えることで、100円のものが1000円に価値を変えることもあれば、販売する数量を変えることで売り上げを増やす方法もあります。陶器で食器を作る代わりに、タイルを作って、建材として大量に使ってもらいました。また、福祉作業所の製品は、障碍者が単純な作業の積み重ねで作るので、作業の簡略化は重要なアプローチです。
フェリシモからハンコのパーツを依頼された仕事では、大きな気づきがありました。福祉作業所では0から100まで自分たちで作り、完成品を販売するのが普通ですが、しかし、企業はパーツを買って、パッケージを行って、彼らの商品にします。自分たちで完成品にしなくてもよいのだと気づき、本格的に企業とのコラボレーションに乗り出しました。
LUSHジャパンとはソープディッシュを作りました。2万個の注文をいただきましたが、私達の作業所で作れるのは2000個が限界です。自分達のような作業所が10か所あれば実現できると、全国の福祉施設を駆け回ってお願いしました。
また、福祉作業所では、原材料にコストをかけないよう、廃棄する素材をもらって商品を作ることも多いのですが、本当に無価値のものに価値を付けるのは大変です。例えば、みんなが興味を持つような、学校の机の天板を使った商品だと価値がでます。営利企業だと学校の廃棄物の譲渡を受けることは難しいのですが、そこは「福祉」を目的にしている施設なので、相性が良く、譲り受けることも可能でした。他の営利企業にはない「福祉」の強みをアピールし、OEMでこんな商品が作れますよと価値を提示することが、ビジネスでは大切です。
 
障碍のある人の「働く姿」をプレゼンしたい
「!-factory」では、陶器生産の他に、宇治市で雑貨の販売とレストランを併設する「restaurant & garden chou-cho」や、京都市御池通の和食ダイニング「丁子屋 〜Tyoujiya〜」をはじめとする飲食店に、半調理品を提供するキッチン代行業を行っています。私は仕事をしながら、時々、キッチンを眺めて、そこで障碍者が働いている風景に心を奪われます。大人数の障碍者が一心不乱に働いている姿は、かっこいいな、かわいいな、と思うのは、障碍者福祉に携わってきた私の贔屓目でしょうか。彼らはイチゴひとつ落としても、パニックを起こすほど真剣です。この姿を見れば、誰でもそう思うんじゃないか、と考え、11年に京都市三条に障碍者の就労支援事業所であるデリ・カフェ「!-foods」をオープンさせました。京都の建物の特徴そのままの細長い店舗で、あえて、障碍者が作業するとお互いにぶつかるような狭いキッチンにしました。常に迷惑をかけあうことに慣れることで、障碍のある人が苦手とされるコミュニケーション能力が鍛えられるからです。「!-foods」では、サブカルチャーについて語るイベントやライブを開催したり、生け花の教室やマルシェを開いたりして、常に地域の人でにぎわう場所になっていて、そこでは障碍者が自然に働いています。
また、地域活性を目的とした事業を活用し、14年4月、堀川商店街の中にオープンキッチン形式のカフェバー「KYOGOKUダイニング」を作りました。同じ枠組みで、15年1月にはダイニング兼チョコレートショップ「NEW STANDARD CHOCOLATE kyoto」をグランド・オープン。プロのショコラティエと障碍者の就労支援施設がタイアップでつくる高級ショコラ「久遠チョコレート」を全国に先駆けて生産し、取り扱う店舗になりました。チョコレートは付加価値の高い商品なので、障碍者の工賃向上も望めます。バレンタインデー直前には、女子小学生を対象にした・ワークショップなどを開催し、地域の子どもに特別な体験とともに、この町への愛着を深めてもらう働きかけをしています。チョコレートショップはオープン直後から、近隣の住民に愛される店舗となっています。将来的には、一流のパティシエの商品に私達のチョコレートを材料として使ってもらうことが目標です。
!-styleチャレンジのその先に次の課題が見える
私は、この10年、障碍者のつくる製品がおしゃれであること、デザイン性が高いことの効果を世の中に広めることを行ってきましたが、そのために生まれた弊害も痛感しています。おしゃれであること、デザイン性が高いことは、注目を集めますが、作り手の障碍者の生活を豊かに変えたでしょうか。世間の注目を集める程には、実は売り上げは増えません。障碍者の工賃はほとんど変わらず、デザインで注目を集めてしまったために、障碍者の「働く」を支援するはずの福祉の人たちの仕事が変質してしまうことも散見されます。
一般への販売は企業やプロに任せて、私たちは企業や販売のプロに求められる製品を、障碍者ができる範囲で、職人的に同じことを繰り返して作りたい。障碍のある人を頑張らせて、よりよい製品を作る考え方もありますが、障碍があるから出来ない事を訓練により出来るようにしようという考え方は、障碍のある人を健常者に近づけるような事でナンセンスだと思います。「!-style」は、デザインを変え、売り方を変えながらも、実は、障碍者の作業内容はほとんど変えていません。障碍があるからできないことは、できないままでよいのです。できるようになれと、追い詰めることは絶対にしないし、させません。仮に障碍者の工賃が上がったとして、彼らの幸福度は上がるでしょうか。上がった分の工賃で、障碍者が豊かな余暇を過ごせる環境は、まだまだ日本にはありません。そんな社会を変えること、障碍者の幸福な生活を支援することが、福祉に携わる者の仕事ではないかと考えます。
(文責:前川)

第50回社会事業家100人インタビュー:(特)きらりよしじまネットワーク事務局長 髙橋由和氏 9月7日に開催決定!!

社会事業家の先輩にビジネスモデルを学ぶ!
社会事業家100人インタビュー 第50回
──────────────────────────────
今までの地域づくりのシステムを根本から見直し、住民ワークショップを
取り入れた地域の合意形成を推進。

(特)きらりよしじまネットワーク
事務局長 髙橋由和さん

──────────────────────────────
2016年9月7日(水)18:30~20:30
@山形市市民活動支援センター 高度情報会議室(山形)

──────────────────────────────
先輩社会事業家からビジネスモデルを学ぶための本企画。
SBN理事・IIHOE代表の川北秀人がインタープリターとなり、
直接、先輩事業家に学び、質問することができる対話型講座です。
今回のゲストは、(特)きらりよしじまネットワーク事務局長の髙橋由和さん。
山形県東置賜郡川西町吉島地区の全世帯が加入する同法人は、その持続可能な
新しいまちづくりのスタイルが、大きな注目を集めています。
今回は、地域住民の生活を支える事業体として運営されるにいたった、事業づくりと
人材育成の手法について、詳しくお話しいただきます。
──────────────────────────────
● 開催概要
──────────────────────────────
日時:2016年9月7日(水)18:30~20:30
会場:山形市市民活動支援センター 高度情報会議室
(山形市城南町1-1-1霞城セントラル23F)
<アクセス>
http://www.yamagata-npo.jp/modules/d5/index.php?content_id=4#accesstocenter
※駐車券は出ませんので、近隣の駐車場をご利用ください。
定員:30名
対象:社会事業家として事業を始めている方、これから始めようとされている方、
ビジネスモデルの作り方を先輩社会事業家から学びたい方
参加費:1,500円(当日会場にてお支払いください)
*参加費のうち500円は、ゲストが指定する寄付先にそのまま寄付します。
主催:(一社)ソーシャルビジネス・ネットワーク(SBN)、
IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所]
共催:(特)山形の公益活動を応援する会・アミル
──────────────────────────────
(特)きらりよしじまネットワーク 紹介
──────────────────────────────
2007年4月設立。山形県東置賜郡川西町吉島地区の全世帯が加入する同法人は、
自主防災組織事業、介護予防と生涯学習事業、地産地消・交流事業、地域環境保全運動、
子育て支援・青少年健全育成事業、地域のスポーツ拠点づくりなど、多世代が交流し
自らがその運営を担うスタイルで、さまざまな事業を展開。「地域住民があらゆる分野で、
こころ豊かで一人ひとりが輝けるまちづくり」を目的として、地域のコーディネーターとしての
役割に徹し、行政や他団体との協働も積極的に推進しています。
──────────────────────────────
● ゲストプロフィール
──────────────────────────────
高橋さん写真.jpg
髙橋由和さん((特)きらりよしじまネットワーク 事務局長)
1989年 川西町の体育指導員として地区公民館事業に関わる。
2002年 サラリーマンを辞め、吉島地区社会教育振興会勤務 事務局長に就任。
2004年 山形県地域コミュニティ支援アドバイザーに就任。
2004年 マイマイスポーツクラブ設立 クラブマネージャー就任。
2004年 文科省全国優良公民館表彰(吉島地区公民館)。
2007年 (特活)きらりよしじまネットワーク設立 事務局長就任。
2007年 山形県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会 事務局長就任。
2008年 山形県公益大賞受賞(きらりよしじま)。
2009年 スポネットおきたま設立 事務局長に就任。
2010年 平成21年度地域づくり総務大臣表彰(きらりよしじま)。
2011年 おきたまネットワークサポートセンター設立 事務局長就任。
2012年 荘内銀行ふる里創造基金地域貢献大賞受賞(きらりよしじま)。
2012年 文科省スポーツ功労者表彰(個人)
【その他の主な役職】
おきたまネットワークサポートセンター事務局長、スポネットおきたま事務局、
マイマイスポーツクラブ クラブマネージャー、東北大学「成人教育論」
兼任講師(2009~2016)、東北福祉大学「地域マネジメント学」兼任講師(2013)、
東北芸術工科大学コミュニティデザイン科特別講師(2015~2016)、山形県
地域活動支援アドバイザー、内閣府地域の課題解決のための地域運営組織
に関する有識者会議委員、総務省暮らしを支える地域運営組織に関する研究会委員
など
──────────────────────────────
● プログラム
──────────────────────────────
◇ ゲストのご紹介、趣旨説明
◇ ゲストご自身からビジネスモデルの紹介
◇ インタビュー
<インタビュアー>ソーシャルビジネス・ネットワーク理事、IIHOE代表者 川北秀人
◇ 質疑応答
・ご参加者からの質疑応答の時間を設けますので、お1人1回はご質問ください。
*インタビュー終了後、高橋さんを囲んで懇親会を開催いたします。お店予約の関係上、
ご参加お申込みの際に、ご出欠をお知らせください。
──────────────────────────────
● お申込みについて
──────────────────────────────
今回は通常とは異なり、Peatixでのお申込み受付はございません。
参加をご希望の方は、メールのタイトルを「9/7社会事業家100人インタビュー
参加申し込み」として、Eメールにて、以下3点をお知らせください。
(1)ご所属(2)お名前(3)懇親会出欠
送信先: office.iihoe@gmail.com

お申込み締切は9月5日(月)です(定員に達し次第、締切らせていただきます)。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【お問合せ先】
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
office.iihoe@gmail.com
電話:03-6280-5944 FAX:03-6280-5945
◇本プロジェクトのfacebookページ
http://www.facebook.com/100JapaneseSocialEntrepreneurs
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

第49回 社会事業家100人インタビュー 消費者信用生活協同組合 横沢善夫氏 7月28日開催!!

『第49回社会事業家100人インタビュー』(7/28)ゲストは消費者信用生活協同組合 横沢善夫さん
社会事業家の先輩にビジネスモデルを学ぶ!
─────────────────────────────────────────────
青森県と岩手県で、債務整理や生活資金の貸付を通して、組合員のくらしの改善・向上に取り組む

E6A8AAE6B2A2E59684E5A4ABE6A7983-thumbnail2

消費者信用生活協同組合 理事長 横沢善夫さん

─────────────────────────────────────────────
2016年7月28日(木)18:00~20:00
@いわて県民情報交流センター(アイーナ)807会議室
─────────────────────────────────────────────
先輩社会事業家からビジネスモデルを学ぶための本企画。
SBN理事・IIHOE代表の川北秀人がインタープリターとなり、
直接、先輩事業家に学び、質問することができる対話型講座です。

今回のゲストは、消費者信用生活協同組合理事長の横沢善夫さん。
消費者信用生活協同組合は、当時、全国で唯一、貸付事業を行う生協法人として1969年に設立。
2014年度は、18,000人の組合員出資金8億円と提携市町村からの9億円の預託による銀行借入金を
もとに、債務整理や生活資金の貸付を行いました。
その独特な事業のなりたちとしくみについて伺います。
今回は盛岡にての開催となりますので、岩手県のみなさま、この機会にぜひご参加ください!
─────────────────────────────────────────────
● 開催概要
─────────────────────────────────────────────
日時:2016年7月28日(木)18:00~20:00
会場:いわて県民情報交流センター(アイーナ)807会議室
(盛岡市盛岡駅西通1-7-1)*JR・IGR盛岡駅から徒歩4分。
http://www.aiina.jp/access/access.html
定員:10名
対象:社会事業家として事業を始めている方、これから始めようとされている方、
ビジネスモデルの作り方を先輩社会事業家から学びたい方
参加費:1,500円(当日会場にてお支払いください)
*参加費のうち500円は、ゲストが指定する寄付先にそのまま寄付します。
主催:(一社)ソーシャルビジネス・ネットワーク(SBN)、IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所]
─────────────────────────────────────────────
●消費者信用生活協同組合 紹介
─────────────────────────────────────────────
未組織の労働者を対象とした、低利での生活資金融資による生活向上支援を目的として、
消費生活協同組合法に基づき1969年に設立されました。
青森県(青森/八戸)と岩手県(盛岡/北上/釜石)に相談事務所があり、年間約2,500件の面談相談と
弁護士・司法書士の無料法律相談(毎週)を実施するほか、自治体や(特)いわて生活者サポートセンター
と連携し、生活困窮者や多重債務者等への生活再建支援や自殺防止対策に取り組んでいます。
─────────────────────────────────────────────
● ゲストプロフィール
─────────────────────────────────────────────
横沢善夫さん(消費者信用生活協同組合 理事長)
1950年 岩手県生まれ
1974年 明治大学商学部卒業
1980年 岩手県消費者信用生協入協
1992年 常務理事に就任
1994年 専務理事に就任
2007年 一般社団法人生活サポート基金専務理事に就任
2012年 消費者信用生協専務理事
2014年 同生協理事長 現在に至る
岩手では、多重債務問題を抱え生活が破綻の危機に直面している消費者の救済と生活再建に取り組む。
また東京では、岩手での経験を生かし、生活再生のための貸付と相談事業を立ち上げる。
最近では、生活困窮問題の増加により、各関係機関と連携を図り、消費者の複合的な課題の解決に
取り組んでいる。
─────────────────────────────────────────────
● プログラム
─────────────────────────────────────────────
◇ ゲストのご紹介、趣旨説明
◇ ゲストご自身からビジネスモデルの紹介
◇ インタビュー
<インタビュアー>
ソーシャルビジネス・ネットワーク理事、IIHOE代表者 川北秀人
◇ 参加者からの質疑応答
・ご参加者からの質疑応答の時間を設けますので、お1人1回はご質問ください。
*インタビュー終了後の会場での懇親会は予定しておりません。何卒ご了承ください。
─────────────────────────────────────────────
● 申込みについて
─────────────────────────────────────────────
今回は通常とは異なり、Peatixでのお申込み受付はございません
参加をご希望の方は、メールのタイトルを「7/28社会事業家100人インタビュー
参加申し込み」として、Eメールにて、ご所属とお名前をお知らせください
(送信先:office.iihoe@gmail.com)
お申込み締切は7月25日(月)です(定員になり次第、締切らせていただきます)。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【お問い合わせ先】
—————————————————————————————————————————-
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
office.iihoe@gmail.com
電話:03-6280-5944 FAX:03-6280-5945
◇本プロジェクトのfacebookページ
http://www.facebook.com/100JapaneseSocialEntrepreneurs
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Contact us

ご相談・お問合せは
お気軽にお寄せください